2010 Fiscal Year Annual Research Report
農水産物における垂直的マーケティング・システム形成の態様に関する実証的研究
Project/Area Number |
21380138
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小野 雅之 神戸大学, 大学院・農学研究科, 教授 (90224279)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細川 允史 酪農学園大学, 酪農学部, 教授 (70295898)
坂爪 浩史 北海道大学, 大学院・農学研究院, 准教授 (80258665)
木立 真直 中央大学, 商学部, 教授 (10224982)
冬木 勝仁 東北大学, 大学院・農学研究科, 准教授 (00229105)
杉村 泰彦 酪農学園大学, 酪農学部, 准教授 (80405662)
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Keywords | 農水産物 / 垂直的マーケティング・システム / 食の安全・安心 / 安全性関連情報 / 飼料用米 / 消費者評価 |
Research Abstract |
1.消費者の食の安全・安心の確保に対するニーズが強まるなか,農水産物の垂直的マーケティング・システム形成においても,食の安全・安心の確保が重要な課題となっている。そこで,米のトレーサビリティシステムを核とした垂直的マーケティング・システム形成の実態を分析した。その結果,トレーサビリティシステム導入によって,生産・卸売・小売の各段階における関係性が強まる可能性があることが明らかになった。また,米安全性関連情報(生産方法関連情報,栽培履歴情報,理化学的分析情報)に対する消費者評価を分析し,安全性関連情報の付加に対して消費者が一定の支払意志額を示すことから,安全・安心の確保が垂直的マーケティング・システム形成に効果を有することが示唆された。 2.わが国の食料自給率向上にとって飼料自給率の向上が鍵を握ることから,飼料米の垂直的マーケティング・システムについて調査・分析するとともに,飼料用米を用いた畜産物に対する消費者の支払意志額を調査した。その結果,生産が増加しつつある飼料米において,生産・飼料加工・家畜飼養の各段階における関係性が形成されつつあること,また消費者が飼料用米を用いた畜産物に対して一定の支払意志額を示すことから,飼料用米の垂直的マーケティング・システム形成が畜産物の差別化にとっても有効性を持つことが示唆された。 3.その他,産地段階・卸売段階・小売段階について,各研究分担者が実態調査を行い,垂直的マーケティング・システム形成の実態把握に努めるとともに,台湾の青果物卸売市場における事業者の集荷・販売状況について調査を行った。
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Research Products
(4 results)