2009 Fiscal Year Annual Research Report
腸管上皮M細胞のプリオン蛋白取り込みに関わる分子構成と発現調節機構の解明
Project/Area Number |
21380170
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
麻生 久 Tohoku University, 大学院・農学研究科, 准教授 (50241625)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 高弘 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (20111297)
大和田 修一 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教 (00183244)
渡邊 康一 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教 (80261494)
北澤 春樹 東北大学, 大学院・農学研究科, 准教授 (10204885)
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Keywords | M細胞 / プリオン蛋白 / トランスサイトーシス / 膜蛋白 / 輸送小胞体 / 磁気ビーズ / 2次元電気泳動 / プロテオミクス解析 |
Research Abstract |
本研究課題は、経口摂取プリオン蛋白の腸管M細胞を介した侵入機構の解明を目的とする。申請者は、世界に先駆けてウシおよびマウスの腸管上皮細胞株の樹立に成功し、これらの腸管上皮細胞株とリンパ球との共培養を行うことにより、蛍光ビーズを取り込んで腸管上皮細胞の下部ヘトランスサイトーシスを行うM細胞分化誘導系を既に確立している。開発したM細胞分化誘導系と磁気ビーズ蛋白捕捉法を用いて、腸管上皮M細胞のプリオン蛋白取り込みに関わる膜輸送蛋白複合体トランスポートゾームライブラリーを構築し、本研究終了時までにはM細胞のプリオン蛋白取り込みに関わる蛋白の同定と発現調節機構の解明を試みるものである。本年度は、当研究室で確立したM細胞分化誘導系と磁気ビーズ結合蛋白質補足法を用いてM細胞のPrP取り込みに関わる膜蛋白の同定を試みた。【方法】ウシPrP(25-242)にHis-tagを付加した発現ベクターを大腸菌に導入して大量培養を行い、発現誘導後に可溶性蛋白をNiカラムに吸着させ、refoldingを行った後に精製した。また、精製したウシPrPとIgAが磁気ビーズ1個当たりそれぞれ3.14amoleあるいは1.56amole結合した磁気ビーズを作製した。ウシ腸管上皮細胞株をM細胞に分化誘導させ、ウシPrPおよびIgA結合磁気ビーズを添加して9時間後に細胞内にある磁気ビーズを含む小胞を磁気スタンドにより回収した。回収した蛋白質は、2次元電気泳動後に、スポット解析を行った。【結果】回収した小胞では、ウシPrPおよびIgAだけにしか見られない数個のスポットを確認した。また、小胞のビーズ非吸着蛋白中にウシPrPおよびIgAに結合する膜蛋白が存在することを確認した。以上より、ウシPrPあるいはIgAに特異的に結合する膜蛋白が存在し、これらが取り込みに関わることが示唆された。
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