2011 Fiscal Year Annual Research Report
治療用タンパク・siRNA発現の時空間制御のためのプラスミドデザインとデリバリー
Project/Area Number |
21390009
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高倉 喜信 京都大学, 薬学研究科, 教授 (30171432)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 元也 京都大学, 薬学研究科, 准教授 (40273437)
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Keywords | 遺伝子治療 / RNA干渉 / 融合タンパク質 / プラスミドDNA / デリバリー |
Research Abstract |
IFNγ遺伝子治療は、種々の疾患に対して有効な新しい治療法になると期待されている。遺伝子導入後に体内で発現するIFNγの体内動態を制御することができれば、さらなる治療効果の増強が期待できる。これまでに、IFNγの体内動態制御による治療効果の増強を目的に、血中滞留性に優れるマウス血清アルブミン(MSA)を用いてIFNγ融合タンパク質を設計し、これを発現するプラスミドDNAを構築した。IFNγ-MSAは、天然型IFNγと比較して高い血中滞留性を有する反面、200分の1程度の低い生物活性しか示さなかった。これはMSAの分子量が大きいために、レセプターへの結合が阻害されたためと推察された。そこで新たなアプローチとして、血清アルブミンに高い親和性を有するアルブミン親和性ペプチド(ABP)に着目し、20アミノ酸残基のABPをIFNγに融合したIFNγ-ABP融合タンパク質(IFNγ-ABP)を設計した。IFNγ-ABPのIFNγ活性は、IFNγの約40%程度と高く保持されていた。IFNγ-ABP発現プラスミドDNAを用いてマウスに遺伝子導入したところ、IFNγと比較して高い血中滞留性を示した。また、癌細胞の肺転移モデルマウスへの投与では、天然型IFNγ発現プラスミドDNAと比較して高い抗腫瘍効果が得られた。以上の結果から、ペプチドであるABPを利用することで、レセプター結合における立体障害を回避しつつ、生体内のアルブミンと結合することによると推察される血中滞留化が可能であることが示された。ABPの利用は、生物活性を維持しつつ血中滞留性を得るための有用な方法論になると期待される。
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Research Products
(6 results)