2010 Fiscal Year Annual Research Report
低分子抗体医薬開発に最適化されたヒト抗体ライブラリ構築と選別法の確立
Project/Area Number |
21390032
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
伊東 祐二 鹿児島大学, 理工学研究科(理学系), 准教授 (60223195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有馬 直道 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 教授 (30175997)
黒木 良太 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, ユニット長 (30391246)
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Keywords | 抗体 / 低分子化抗体 / T7ファージ / ファージ提示法 / 安定性 |
Research Abstract |
本研究の目的は、新しいファージ提示技術であるT7ファージ提示技術を用いて構築したヒト単鎖Fv抗体(低分子抗体)ライブラリを用いて、医薬として利用できる高機能性の低分子抗体の創製方法を構築し、得られた抗体の性質、構造を解析することで、抗体工学による高機能性低分子抗体デザインのための分子基盤を確立することである。 本年度は、昨年度に引き続き、T7提示系を用いた抗体ライブラリ作製と評価に関する検討を行った。昨年度、構築したヒト単鎖Fv抗体T7ファージライブラリを用い、数種の標的抗原に対するバイオパンニングによって、特異的抗体の単離を試みたが、特異的なクローンが一部単離されるが、多くは非特異的なクローンであった。この原因として、構築したヒト単鎖Fv抗体のフォールディングが提示系ではうまく行われていないことが示唆された。そこで、T7ファージでの抗体のスクリーニング法の基盤を確立するため、より良好なフォールディング特性を持ったシングルドメインVHH抗体を用いて、T7ファージ抗体ライブラリを構築し、単離手法を検討した。用いたラマ抗体の合成ライブラリでは、標的抗原に対する速やかな特異的クローンの濃縮が見られたことから、この系では、T7ファージ抗体ライブラリは、十分に機能することが分かった。このように、T7ファージ系では、フォールディング特異性の良い抗体のスクリーニングに関しては、十分利用できることから、現在、VHH抗体の天然抗体のレパートリを持った抗体ライブラリを構築し、有用な抗体の取得に向け、検討を行っている。
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[Journal Article] Characterization of human single-chain antibodies against highly pathogenic avian influenza H5N1 viruses : mimotope and neutralizing activity2010
Author(s)
Yang, J., Yoshida, R., Kariya, Y., Zhang, X., Hashiguchi, S., Nakashima, T., Suda, Y., Takada, A., Ito, Y., Sugimura, K.
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Journal Title
Journal of biochemistry
Volume: 148
Pages: 507-515
DOI
Peer Reviewed
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