2009 Fiscal Year Annual Research Report
Wntシグナル伝達におけるRor1,Ror2受容体チロシンキナーゼの機能解析
Project/Area Number |
21390080
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
南 康博 Kobe University, 医学研究科, 教授 (70229772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 満 神戸大学, 医学研究科, 准教授 (30379359)
遠藤 光晴 神戸大学, 医学研究科, 助教 (90436444)
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Keywords | Wnt5a / Ror1 / Ror2 / Wntシグナル伝達 / チロシンキナーゼ / 癌の浸潤 / マトリックスメタロプロテアーゼ / Dishevelled |
Research Abstract |
Ror2受容体チロシンキナーゼは、主にβ-カテニン非依存的Wntシグナル伝達経路を制御するWnt5aの受容体として機能し、主にWnt/JNK経路を活性化し、細胞極性・移動を制御する。最近我々は、骨肉腫細胞ではWnt5a/Ror2シグナルが恒常的に活性化される結果、c-Srcチロシンキナーゼを介してmatrix metalloproteinase 13(MMP13)遺伝子が発現誘導され、浸潤能亢進に寄与することを見出した。本年度の研究では、まず(1)骨肉腫細胞におけるWnt5a/Ror2/c-SrcシグナルによるMMP-13遺伝子の発現誘導において、MMP-13遺伝子の上流100bp以内に存在するAP-1結合配列にAP-1が結合することが重要であることを見出した。また、(2)Ror2が他のWnt5a受容体であるFzd7と会合することにより、Wnt5aによるDvlの細胞内集積(重合)とリン酸化を制御し、AP-1経路を活性化することを明らかにした。このRor2の機能には、Ror2の細胞内領域が不要であることが見出された。さらに、(3)Ror2を介する糸状突起形成にはRho-ファミリー低分子量G蛋白質Rifが必須であり、RAP1GDS-Rif-mDia2が重要であることを示唆する成果を得た。本年度の研究では、(4)Ror1,Ror2を発現していないL細胞を用いて再構成実験を行い、Ror1もRor2と同様に、Wnt5a刺激に伴うDvlのリン酸化や糸状突起の形成に重要な役割を担うことを示したが、Ror1とRor2の機能の相違点については不明のままである。次年度は、これらの成果のさらなる分子レベルでの解明を目指すとともに、神経系におけるRor1、Ror2の機能解析にもアプローチしていく計画である。
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Research Products
(11 results)