2009 Fiscal Year Annual Research Report
自己免疫疾患関連転写制御因子の生命機能における基盤的研究
Project/Area Number |
21390102
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
白澤 専二 Fukuoka University, 医学部, 教授 (10253535)
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Keywords | 自己免疫性甲状腺疾患 / ZFAT / 転写制御因子 / 遺伝子ネットワーク |
Research Abstract |
ZFAT遺伝子は18個のC2H2型zinc-finger motifと1個のAT-hook motifを含む1237アミノ酸残基の転写関連因子様タンパクをコードし、魚類からヒトに至るまで高度に保存された遺伝子である。ZFATを軸とした免疫系転写ネットワークの解明のために、ZFAT機能解析およびZFAT-DNA相互作用解析を柱とする転写制御ネットワーク解析を開始し、以下のような研究成果を得た。 (1)ZFAT機能解析:白血病細胞株MOLT4の系においてアポトーシス制御分子としての機能が示唆されたことから、さらに詳細にアポトーシス制御について理解するために、siRNAによるZFAT発現抑制時での発現アレイ解析を実施した。アポトーシス関連遺伝子および細胞増殖関連遺伝子を含む発現変動遺伝子群を取得し、さらなる検証実験を進めている。また、ZFATノックアウトマウスは発生初期に胎生致死になることが明らかとなっていることから、発生初期におけるZFATの機能を理解するために、ZFATノックアウトマウスの組織学的解析および細胞生物学的解析を進めた。胎生致死の時期、ZFATの発現時期および発現組織等の基礎的情報を取得し、今後さらに詳細な転写制御機構の解明が期待された。 (2)ZFAT-DNA相互作用解析:マウスCD4^+T細胞のin vitro TCR刺激後のZFAT発現量亢進時の複数回のChIP-chip解析により同定した候補領域(候補領域近傍遺伝子)についてProtein-DNA Binding Assay等の検証実験を実施し、ZFATのDNA相互作用領域を同定した。ZFAT相互作用標的遺伝子とのZFAT機能モデルの推定を試み、分子レベルでの転写制御ネットワーク解析への基盤となる情報を取得することができた。
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