2011 Fiscal Year Annual Research Report
自己免疫疾患関連転写制御因子の生命機能における基盤的研究
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21390102
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
白澤 専二 福岡大学, 医学部, 教授 (10253535)
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Keywords | 自己免疫疾患 / ZFAT / 転写制御因子 / 遺伝子ネットワーク |
Research Abstract |
ZFAT遺伝子は18個のC2H2型zinc-finger motifと1個のAT-hook motifを含む1237アミノ酸残基の転写関連因子様タンパクをコードし、魚類からヒトに至るまで高度に保存された遺伝子であり、発生初期における血球系分化に必須であること、および血管内皮細胞の分化に必須であることを明らかにしてきた。ZFAT機能解明とZFATを軸とした転写ネットワークの解明を目指して、以下のような研究成果を得た。 組織特異的に個体レベルでのZFATの機能を解明するために、新たなZFAT遺伝子改変マウスの樹立を進めた。免疫担当細胞特異的ZFAT遺伝子改変マウスを樹立し、免疫担当細胞における表面発現解析および細胞生物学的解析を開始した。その他、間葉系細胞におけるZFATの新規な機能について検討するために、ZFATが発現しているマウス胎児線維芽細胞(MEF)におけるsiRNAによるZFAT発現抑制時のZFAT機能解析を進めた結果、アポトーシス制御分子としての機能が示唆された。さらに詳細にアポトーシス制御について理解するために、ZFAT発現抑制時での発現アレイ解析を実施し、既に明らかにしている白血病細胞株MOLT-4におけるZFATのアポトーシス制御分子としての機能と共通のメカニズムを検討した。共通の発現変動遺伝子群を解析した結果、アポトーシス関連遺伝子および細胞増殖関連遺伝子を含む発現変動遺伝子群を取得し、さらなる検証実験を進めている。また、ZFATノックアウトマウスでは発生初期に胎生致死になることが明らかとなっている。発生初期におけるZFATの機能を理解するために、ZFAT遺伝子改変マウスを対象とした時期特異的なZFAT発現抑制時の組織学的解析および細胞生物学的解析を行い、基礎的情報を取得した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ZFATが正常なマウス発生過程に必須の遺伝子であり、造血前駆細胞の分化に必須の転写因子群を制御していることを明らかにし、更なるZFATの分子機序の解明に向けて研究が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
ZFATの機能解明と標的遺伝子の同定・ネットワークの解明を目指して、マウス発生過程でのZFATの分子機序に関するZFAT転写制御機構に加え、遺伝子改変マウスを用いた免疫担当細胞、間葉系細胞におけるZFATの詳細な機能解明および転写制御ネットワークの解明を試み、研究を遂行する。
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