2010 Fiscal Year Annual Research Report
独自なFISH法によるヒト癌発生母地のテロメア機能不全と染色体の不安定化の証明
Project/Area Number |
21390109
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
田久保 海誉 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (00154956)
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Keywords | テロメア / 染色体不安定性 / FISH法 / 組織切片 / ヒト癌 |
Research Abstract |
ヒト癌の発生母地のテロメア短縮に基づくテロメア機能不全と染色体の不安定化を証明するために、以下の研究を行い論文発表を行った。 1. 癌の発生母地のテロメア機能不全を証明した。 ヒト食道癌患者と口腔内癌(扁平上皮癌)の非癌部のテロメアは非担癌者の対照よりも短く、染色体の不安定化のあることを証明した(Takubo K et al.J Pathol 2010, Aida J et al.Eur J Cancer 2010) 2. 線維芽細胞の老化と染色体異常の解明した。 線維芽細胞(TIG-7細胞系)を細胞老化まで培養しテロメア長と染色体異常との関係を明らかにした(カナダBCがんセンター、癌研癌ゲノム解析センター、鳥取大医学部生命工学科との共同研究)。本研究所で作られたヒトの線維芽細胞7株を細胞分裂が停止するまで培養し、テロメア長を経時的に染色体別に計測した。測定には定量的蛍光インサイチューハイブリダイゼイション法を用いた。分裂が止まる直前に出現した癒合した染色体(染色体不安定性の指標)のテロメアは有意に短縮していた。また、染色体不分離像である細胞分裂の後期-終期ブリッジの頻度はテロメア短縮と相関し、特に架橋中にテロメアが過度に短縮した染色体があることを証明した。染色体の癒合は、テロメアの短い染色体から始まり分裂後の娘細胞の不分離の原因となることがわかった(Takubo et al.Mech Age Dev 2010)。 3. その他下記の臓器で研究が進行中である。 肺癌(粘膜内扁平上皮癌)、膀胱癌細胞の異型度(G1、G2、G3、10例程度)、早老症(ワーナー症候群、18・21トリソミー、各10例)、皮膚の日光被曝部、口腔内前癌病変、副甲状腺など多数。
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Research Products
(12 results)