2010 Fiscal Year Annual Research Report
わが国で捕集される黄砂がラット呼吸器に及ぼす影響と付着成分との関連に関する研究
Project/Area Number |
21390194
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Research Institution | Sagami Women's University |
Principal Investigator |
安達 修一 相模女子大学, 栄養科学部, 教授 (90129148)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大山 正幸 大阪府立公衆衛生研究所, 衛生化学部, 研究員 (40175253)
辻野 喜夫 大阪府環境農林水産総合研究所, 環境情報部, 研究員 (80503953)
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Keywords | 大気汚染 / 黄砂 / 癌 / ぜんそく / 環境 |
Research Abstract |
黄砂採取地である大阪府立公衆衛生研究所屋上(大阪市東成区中道)で、2010年3月~5月までのライダー等による黄砂飛来予測日にハイボリウムサンプラーを使用しテフロンフィルター上に捕集し保存した。前年度に採取した夏季及び冬季の対照粒子ともに、各フィルターより粒子を洗浄、回収し、乾燥し試料の調製を行った。この一部についてラットへの経気道肺内投与(1mg/0.2mL)を実施した。急性毒性による死亡例の発生はなかった。投与後10ヵ月を経過しているが死亡例はなく、観察を継続している。 2010年11月に韓国ソウルを訪問し、高麗大学保健科学大学金永煥教授らと2011年の黄砂飛来時期の黄砂採取について打合せを行った。採取にあたっては、大阪で使用したハイボリウムエアサンプラーを持ち込み、同様の採集条件となるよう打ち合わせた。黄砂付着物量に韓国ソウルと大阪で差異がみられるか、飛来時の成分変化推移とともに結果が期待される。 標準黄砂試料について各方面に照会したが現在は入手困難な状況であるが、金沢大学医薬保健領域衛生学研究室亀田貴之助教(新規の連携研究者)との共同研究として、亀田先生保有の黄砂を動物実験とin vitro実験用に供与いただけることとなった。平成23年度には、実験用に3-NBAの被覆処理など施す予定である。大気粒子及び黄砂粒子の成分分析は、分担者の大阪府環境農林水産総合研究所で実施し結果を得ているが、黄砂からのPAH検出量はきわめて低い状況である。
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Research Products
(1 results)