2012 Fiscal Year Annual Research Report
わが国で捕集される黄砂がラット呼吸器に及ぼす影響と付着成分との関連に関する研究
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21390194
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Research Institution | Sagami Women's University |
Principal Investigator |
安達 修一 相模女子大学, 栄養科学部, 教授 (90129148)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大山 正幸 大阪府立公衆衛生研究所, その他部局等, 研究員 (40175253)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 大気汚染 / 黄砂 / 癌 / ぜんそく / 環境 |
Research Abstract |
肺内投与実験:わが国に飛来する黄砂粒子の肺組織に対する影響を明らかにするために、大阪市内で捕集した黄砂を含む大気粒子、黄砂飛来のない夏季および冬季に捕集した大気粒子、韓国ソウル市で2011年5月に捕集した黄砂を含む大気粒子、さらにゴビ砂漠の砂粒子をそれぞれラットに経気道肺内投与し、18ヶ月間飼育観察後に解剖、肺組織の病理組織学的な変化を比較検討している。また、解剖時に採血した血清についてIL-6、IL-8の分析を行った。途中死亡例、18ヵ月解剖例で肉眼的に肺腫瘍を認めた例はない。また、死亡率や体重増加などに有意差を認めなかった。 成分分析:黄砂の粒径は4 µm付近であった。黄砂時に濃度が高かったのは、硝酸、カルシウム、ナトリウムと塩化物の各イオン。金属元素では、アルミニウム、鉄、チタンが高かった。バナジウムは、微小粒子側に偏った粒径分布がみられたが、黄砂時には粗大粒子側にもピークがあらわれた。炭素成分(全炭素)については、顕著な影響がみられなかった。有機成分として多環芳香族炭化水素類は、黄砂飛来時にソウル市内で捕集した粒子の分析の結果、大気濃度換算でBenzo(a)pyreneが1.56 pmol/m3、2-nitrofluorantheneが0.15 pmol/m3、1-nitropyreneが0.28 pmol/m3と黄砂飛来のない時期の数倍から10倍程度が検出された。 細胞に及ぼす影響:マクロファージのスーパーオキサイド反応において、飛来黄砂は肉眼的に黒いものは大気粒子と類似の反応性だった。また、肉眼的に黒い方が少量投与の反応性が強い傾向があった。この結果は、飛来黄砂に対するマクロファージのスーパーオキサイド反応は、黄砂自体より付着する大気汚染物質の影響が強く関与することを示唆する。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)