2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21390197
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
井上 健一郎 National Institute for Environmental Studies, 環境健康研究領域, 室長 (20373219)
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Keywords | 環境保健 |
Research Abstract |
大気浮遊粒子状物質の健康影響は、疫学的にも実験的にも、呼吸器疾患やアレルギー疾患を有する集団に発現しやすい。本研究では、環境ナノ粒子曝露がこれら高感受性呼吸器疾患(気管支喘息、肺気腫)に与える悪影響を、申請者の所属機関(独立行政法人国立環境研究所)に設置されている「ディーゼルエンジン由来環境ナノ粒子曝露チャンバー」及び同施設から捕集した「環境ナノ粒子」を用いてin vivo、in vitroで実験的に検討し、そのメカニズムを解明することを目的とした。本年度の研究成果として、喘息に及ぼす捕集ナノ粒子のin vivo影響に関する研究では、vehicle、NP、抗原(OVA)、NP+OVAをそれぞれマウスに反復気管内投与したところ、抗原投与群で認められたアレルギー性気道炎症はNP+OVA群においても有意には増悪しなかった。一方、肺気腫に及ぼすナノ粒子の影響に関する研究では、粒径の異なるカーボンブラックナノ粒子(CBNP)を用いて、エラスターゼ誘発肺気腫へ及ぼす影響を検討したところ、14nmの大きさのCBNPが同病態(好中球性気道炎症、肺における炎症性サイトカイン発現)を増悪させた(論文投稿中)。in vitro研究では、気道上皮細胞株およびマウスから分離した脾細胞に上記ナノ粒子を曝露したところ、気道上皮細胞よりのムチン産生および脾細胞表面上の抗原提示に関わる分子(CD86等)の発現が概ね濃度依存的に増強することが明らかとなった。
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Research Products
(5 results)