2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21390197
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
井上 健一郎 北里大学, 薬学部, 教授 (20373219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳澤 利枝 独立行政法人国立環境研究所, 環現健康研究領域, 主任研究員 (70391167)
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Keywords | 環境保健 |
Research Abstract |
大気浮遊粒子状物質の健康影響は疫学的にも実験的にも、炎症性呼吸器疾患を有する集団に発現しやすい(高感受性集団)。本研究では、環境ナノ粒子曝露がこれら高感受性呼吸器疾患(気管支喘息、肺気腫)に与える影響を、申請者の共同研究機関である国立環境研究所に設置されている「ナノ粒子リッチディーゼル排気(NR-DE)曝露チャンバー」及び同施設から捕集した「ディーゼルナノ粒子(NR-DEP)」を用いてin vivo、in vitroで実験的に検討し、そのメカニズムを解明することを目的とした。本年度の研究成果として、喘息に及ぼすNR-DE慢性曝露のin vivo影響に関する研究では、アレルギー性肺炎症は特に高濃度NR-DE群でコントロールエア群と比較して増強傾向を認めた(論文作成中)。一方、肺気腫に及ぼすナノ粒子の影響に関する研究では、粒径の異なるカーボンブラックナノ粒子(CBNP)を用いて、エラスターゼ誘発肺気腫へ及ぼす影響を検討したところ、14nmの大きさのCBNP(50μg)が同病態(好中球性気道炎症、肺における炎症性サイトカイン発現)を有意に増悪させた(Basic Clin Pharmacol Toxicol誌に掲載)。in vitro研究では、気道上皮細胞株およびマウスから分離した脾細胞にNR-DEPを曝露したところ、脾細胞表面上の抗原提示に関わる分子(CD86等)の発現と炎症性サイトカイン(IL-17)産生が概ね濃度依存的に増強することが明らかとなった(Immunopharmacol Immunotoxicol誌に掲載、論文作成中)。
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Research Products
(4 results)