2009 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠高血圧症候群の遺伝・環境要因と、母児双方の生活習慣病発症に関する研究
Project/Area Number |
21390201
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
今井 潤 Tohoku University, 大学院・薬学研究科, 教授 (40133946)
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Keywords | 遺伝 / 環境 / 生活習慣病発症 / 妊娠高血圧症候群 / 家庭血圧 / 24時間自由行動下血圧 |
Research Abstract |
大迫研究では、遣伝子多型や親の長寿と高血圧新規発症・高血圧有病との関連を検討した。計53個のSNPsのうち、RGS2、ADD1、CACNA2D2、CATの4つのSNPが高血圧発症と有意に関連し、年齢・BMIなどの交絡要因で補正してもなお、リスク多型を1つ、2つ、3つ、4つ持つ群でそれぞれ1.6倍、2.6倍、4.7倍、16.9倍と高血圧発症リスクが増加した。両親の長寿は、子の成人時の高血圧と関連し、早世であった母親・父親を持っ子の血圧は、長寿であった母親・父親を持つ子に比較して有意に血圧レベルが高値を示した。1日1合以上の飲酒者は,非飲酒者にくらべて起床2時間後の血圧が有意に高く,昼間血圧も持続的な高値を示し、授動喫煙の女性では非受動喫煙の女性に比較して、家庭血圧が有意に高値であった。 BOSHI研究では1年間を通じて317人の登録を行い、研究開始時より計831名の参加者となった。平成21年3月31日までに出産した正常血圧妊婦258名に対象を広げ、妊娠初期の基礎特性とその後の血圧推移との関連を検討した。妊娠前に肥満であった妊婦は、妊娠時の血圧が正常レベルであっても、正常BMIの妊婦と比較し有意に高値であった。また、妊娠前にBMIが18.5未満であった群では2500g未満の低出生体重児であった割合が高かった。 たとえ正常血圧レベルであっても、妊娠期間中に血圧が高値であった妊婦は、血圧が低値であった妊婦に比較して、30年後の高血圧有病リスクは高値であり、その子の妊娠時血圧も有意に高値であった。今回の解析では、インスリン抵抗性や産後の血圧レベルの正常化などは考慮に入れておらず、今後の詳細な検討が必要と考えられた。
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[Journal Article]2009
Author(s)
今井潤
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Journal Title
Therapeutic Research:臨床高血圧レビュー2007July-2008June(ライフサイエンス出版(株))
Pages: 1707-1821
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[Journal Article]2009
Author(s)
寺脇博之, 今井潤, 他
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Journal Title
腎と透析:【CKDのすべて】日本のコホート研究 大迫研究((株)東京医学社)
Pages: 52-55
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[Journal Article]2009
Author(s)
今井潤, 他
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Journal Title
治療学:【高血圧日常診療に十分に配慮した新ガイドライン】リスク評価と血圧管理計画(解説/特集)(ライフサイエンス出版(株))
Pages: 489-492
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