2010 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠高血圧症候群の遺伝・環境要因と、母児双方の生活習慣病発症に関する研究
Project/Area Number |
21390201
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
今井 潤 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (40133946)
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Keywords | 遺伝 / 環境 / 生活習慣病発症 / 妊娠高血圧症候群 / 家庭血圧 / 24時間自由行動下血圧 |
Research Abstract |
大迫研究では、食塩摂取が多い集団において、比較的アルドステロン高値群で家庭血圧が高値であった。また、受動喫煙の女性では非受動喫煙の女性に比較して、家庭血圧が有意に高値であった。血清マグネシウムの低値は24時間自由行動下血圧とは独立して頸動脈病変に関連した。家庭血圧の日間変動は家庭血圧レベルだけではなく、アルコール摂取量や日常活動量に関連し、安静生活を行う場合、夕方の家庭血圧変動を増加させていた。 BOSHI研究では今年度のデータ654人分を用いて解析を行った。妊娠期間中に血圧が高値であった妊婦は、血圧が低値であった妊婦に比較して、30年後に高い高血圧有病リスクを有しは高値であるが、妊娠22週における血圧レベルと平均30年後の高血圧有病リスクとの関連が最も強かった。尿蛋白が陽性である場合にその後の生活習慣病有病リスクが有意に高値となり、児の出生児体重が小さいほど妊婦の30年後の高血圧有病リスクが高かった。妊娠前体重が重いほど30年後の高血圧有病リスクと関連したが、妊娠中の体重増加など時間依存性共変量を考慮した解析も必要であると考えられた。高血圧家族歴あり群では高血圧家族歴なし群と比較すると、出産週数、母親の糖尿病既往歴を補正に加えても、収縮期血圧、拡張期血圧ともに、母親のみ高血圧群の血圧レベルが有意に高値であった。妊娠高血圧症候群を発症していない518人において両親の高血圧有無と妊娠時家庭血圧との関連を検討したところ、妊娠期間中を通して、4群間の血圧レベルに有意差を認め、両親のどちらか一方が高血圧であると血圧は高くなった。母子手帳データのある268人では、母親の妊娠時平均収縮期血圧と娘の妊娠時家庭血圧推移との直線的な関連が認められ、母親の妊娠9カ月時収縮期血圧と娘の妊娠時家庭血圧推移との関連が最も明瞭であった。
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Research Products
(22 results)