2010 Fiscal Year Annual Research Report
C型慢性肝炎インターフェロン療法の応答・不応答に関わる宿主遺伝子の探索
Project/Area Number |
21390227
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
本多 政夫 金沢大学, 保健学系, 教授 (00272980)
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Keywords | C型肝炎ウイルス / インターフェロン / 治療抵抗性 / 肝内遺伝子発現 / IL28B |
Research Abstract |
C型慢性肝炎に対するインターフェロン(IFN)に対する応答、不応答に関わる因子の探索はIFN療法の治療成績の改善、その後の肝癌の発生阻止の観点から極めて重要と言える。今後、従来のIFN+Rib(リバビリン)併用療法に加え、NS3プロテアーゼインイビターが併用されても、IFNに対する治療反応性については依然として治療効果を決定する重要な因子であろうと考えられる。IFN不応答の要因には、ウイルス側因子と宿主側因子が関与していると考えられるが、本研究はIFN応答・不応答に関わる宿主因子を同定することを目的とした。我々はこれまでにC型慢性肝炎症例でIFN+Rib併用療法を受けた30症例について治療前の肝生検組織と治療開始一週後の肝生検を用いて、治療に伴う肝組織内の遺伝子発現変化をaffymetrix gene chipにて行った。同時に9症例からLCM法を用いて肝浸潤リンパ球、肝細胞を別々に分けて採取しIFN+Rib併用療法に伴う遺伝子発現変化を解析した。以上の解析からIFN治療不応例では肝内のISGが治療前から発現誘導されており、IFN治療によって新たに誘導されない現象を見出した。さらに、IL28Bの遺伝子多型が、治療前のISG発現と密接に関わっていることを明らかにした(Gastroenterology 2010)。また、肝浸潤リンパ球及び肝細胞の解析から、IFN治療不応例では肝浸潤リンパ球からIFN抑制遺伝子を誘導すると考えられるサイトカイン・増殖因子の発現亢進が認められ、IFN治療抵抗性と関連している可能性が示唆された(J Hepatol 2010)。これまでに、SDF-1、HB-EGF、OsteopontinなどがIFN治療不応例の肝浸潤リンパ球で発現亢進していることを見出しており、これらの増殖因子のHCV複製に対する効果を、HCVレプリコン、感染クローンを用いて検討した。
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[Journal Article] ITPA gene variant protects against anemia induced by pegylated interferon-a and ribavirin therapy for Japanese patients with chronic hepatitis C.2010
Author(s)
Sakamoto N, Tanaka Y, Nakaga wa M, Yatsuhashi H, Nishiguchi S, Enomoto N, Azuma S, Nishi mura-Sakurai Y, Kakinuma S, Nishida N, Tokunaga K, Honda M, et.al
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Journal Title
Hepatol Res
Volume: 40
Pages: 1063-1071
Peer Reviewed
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[Journal Article] A liver-derived secretory protein, selenoprotein P, causes insulin resistan ce.2010
Author(s)
Misu H, Takamura T. Takavama H, Hayashi H, Matsuzawa-Nagata N, Kurita S, Ishikura K, An do H, Takeshita Y, Ota T, Saku rai M, Yamashita T, Mizukoshi E, Yamashita T, Honda M, et al
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Journal Title
Cell Metab
Volume: 12
Pages: 483-495
Peer Reviewed
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[Presentation] 当院における肝硬変に合併した門脈血栓症に対する治療の現状2010
Author(s)
林武弘, 鷹取元, 荒井邦明, 柿木嘉平太, 加賀谷尚史, 山下太郎, 酒井佳夫, 山下竜也, 水腰英四郎, 酒井明人, 中本安成, 本多政夫, 岡田俊英, 金子周一
Organizer
第14回日本肝臓学会大会
Place of Presentation
パシフィコ横浜(神奈川県)
Year and Date
2010-10-14
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[Presentation] 当科および関連施設における肝癌に対するソラフェニブの副作用に関する検討2010
Author(s)
梶喜一郎, 寺島健志, 砂子阪肇, 鷹取元, 荒井邦明, 柿木嘉平太, 加賀谷尚史, 山下太郎, 酒井佳夫, 山下竜也, 水腰英四郎, 酒井明人, 中本安成, 本多政夫, 金子周一
Organizer
第46回日本肝癌研究会
Place of Presentation
大阪国際会議場(大阪府)
Year and Date
2010-07-09
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[Presentation] 当科及び関連施設における肝癌に対するソラフェニブの抗腫瘍効果の検討2010
Author(s)
竹越快, 砂子阪肇, 大石尚毅, 鷹取元, 荒井邦明, 柿木嘉平太, 加賀谷尚史, 山下太郎, 酒井佳夫, 山下竜也, 水腰英四郎, 酒井明人, 中本安成, 本多政夫, 岡田俊英, 金子周一
Organizer
第46回日本肝癌研究会
Place of Presentation
大阪国際会議場(大阪府)
Year and Date
2010-07-09
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[Presentation] 非B非C肝癌の臨床的特徴と経年的推移について2010
Author(s)
矢野正明, 荒井邦明, 砂子阪肇, 大石尚毅, 鷹取元, 柿木嘉平太, 山下太郎, 加賀谷尚史, 酒井佳夫, 山下竜也, 水腰英四郎, 酒井明人, 中本安成, 本多政夫, 金子周一
Organizer
第46回日本肝癌研究会
Place of Presentation
大阪国際会議場(大阪府)
Year and Date
2010-07-08
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[Presentation] 肝細胞癌に対する放射線療法とそれに伴う胃十二指腸病変に関する検討2010
Author(s)
高畠央, 砂子阪肇, 鷹取元, 荒井邦明, 柿木嘉平太, 加賀谷尚史, 山下太郎, 酒井佳夫, 山下竜也, 水腰英四郎, 酒井明人, 中本安成, 本多政夫, 他
Organizer
第46回日本肝癌研究会
Place of Presentation
大阪国際会議場(大阪府)
Year and Date
2010-07-08
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