2011 Fiscal Year Annual Research Report
慢性腎不全における心血管病発症の分子機構:血管内皮機能の視点から
Project/Area Number |
21390249
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
今泉 勉 久留米大学, 医学部, 教授 (60148947)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲斐 久史 久留米大学, 医学部, 准教授 (60281531)
梶本 英美 久留米大学, 循環器病研究所, 助教 (50349700)
安岡 逸 久留米大学, 医学部, 助教 (10461435)
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Keywords | 腎不全 / 血管内皮 / ADMA |
Research Abstract |
1)DDAH1トランスジェニック(TG)マウスを繁殖、増産した。 2)5/6腎臓摘出マウスの作成:8週令のC57BL/6J(AT)マウスとDDAH1-TGマウスを用いて、まず左腎臓を2/3切除し、1週間後に右腎臓を全摘出した。術後、2週間毎、12週間、血圧、血液検査、尿検査を行った。4群で血圧に大きな変化は見られなかった。術後4週において、C57BL/6JマウスとDDAH1-TGマウスでは同程度の中等度腎機能低下が見られた。 3)内皮機能の評価:DDAH1-TGマウスの摘出大動脈を用いて等尺性張力を測定した。WTマウスでは、5/6腎臓摘出により、アセチルコリン反応性の弛緩反応が低下していた。しかしDDAH-1TGマウスでは、5/6腎臓摘出を行ってもアセチルコリン反応性の弛緩反応は保たれた。 4)血管内皮機能におけるADMAの役割:ADMAのNOS合成阻害作用については、L-arginineの競合阻害だけでは説明が付かない点が多い。ヒト血管内皮細胞培養を用いてADMAを投与したところ、ERK-eNOSリン酸化抑制を介したeNOS活性の抑制がみられた。これは、L-arginineの競合阻害とは独立したものだった。
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