2010 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロフルイディクスによる循環血液癌細胞検出法の開発と癌転移機構の解析
Project/Area Number |
21390257
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
長谷川 好規 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (20270986)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 直純 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (30378020)
近藤 征史 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (00378077)
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Keywords | 循環血液中癌細胞 / マイクロフルイディクス / 肺癌 / 癌転移 / 上皮細胞接着分子 / EMT関連遺伝子 / ZEB1 |
Research Abstract |
本研究課題は、肺癌の転移機構の解析による治療分子標的の探索を目的として、転移をしている癌細胞そのものを分離・濃縮する技術開発を行い、その技術を用いた循環血液中癌細胞(CTC)の生物学的・遺伝学的特性を明らかにすることである。本年度は、CTCの検出に適したマイクロフルイディクス・デパイス開発の継続と、CTCの生物学的特性に関する解析に着手した。 文部科学省先端研究施設共用イノベーション創出事業ナノテクノロジー・ネットワーク 中部地区ナノテク総合支援(ナノデバイス開発支援-名古屋大学プラズマナノ工学研究センター 馬場嘉信教授)の研究支援の下に、循環血液中の微量な細胞群の検出に適したナノ・マイクロピラー構造の設計と試作を行った。プロトタイプのマイクロチップは癌細胞の捕捉率が低くチップデザインの改良の検討を始めると同時に、チップの生産性の向上を目的とした材質変更のための、抗上皮細胞接着分子抗体(EpCAM)の新材料への固定化法の検討を開始した。 一方でCTCの生物学的特性に関しては報告が少なく、末梢血からのCTCの分離培養を目的とした基礎研究を開始したところである。上皮-間葉転換(EMT)関連分子は、癌転移の重要な分子でありCTC特性との関連が示唆されることから、あらたなEMT機序の分子メカニズムとしてZEB1のEMT制御分子の解析を実施した。次年度はこれらの改良・研究を継続し、マイクロフルイディクスの実用化とCTCのさらなる生物学的特性の解析を展開する予定である。
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