2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21390283
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Research Institution | 独立行政法人国立国際医療研究センター |
Principal Investigator |
安田 和基 独立行政法人国立国際医療研究センター, 研究所・糖尿病研究センター・代謝疾患研究部, 部長 (80311611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 匡史 独立行政法人国立国際医療研究センター, 研究所・ヒト型動物開発室, 室長 (00333790)
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Keywords | 糖尿病 / 遺伝子 / 発現調節 / RNA / 膵β細胞 |
Research Abstract |
膵β細胞における遺伝子発現調節機構の解明は、インスリンの産生・分泌による代謝制御システムや、糖尿病の病態の理解のためにきわめて重要である。我々は、ラット膵β細胞株INS-1D細胞(Dr Wollheim、及び関根信夫博士より供与)から、Vector capping法を用いて世界に先駆けて作成した完全長cDNAライブラリーを用いて、ランダムに拾った約2万クローンについて、5'-側one passシークエンスを行っている。膵β細胞の機能に深く関わる遺伝子のいくつかについて、既報と異なる転写開始点TSS(alternative TSS)が同定されたので、比較ゲノム学や転写因子の結合予想配列などの点からin silicoで考察を行い、転写調節エレメント候補の抽出を行った。また500bp以上のインサートをもちながら明らかなORF(open reading frame)を持たないnon-coding RNA(ncRNA)候補に注目し、配列特異的なsiRNAを作製してINS-1細胞へ導入したところ、いくつかのクローンでは、グルコース反応性インスリン分泌に変化がみられた。これらのクローンについては、ノックダウンによる網羅的な遺伝子発現プロファイルへの影響を、マイクロアレイにより検討したところ、変動した遺伝子群は、インスリン分泌に関わる既報のパスウェイでは説明がつかないことから、新規機能的パスウェイの存在が示唆された。またこれらの変動遺伝子はノックダウンしたncRNAと配列上の相補性をもたず、センスーアンチセンス鎖による調節以外の機序が考えられた。さらに次世代シークエンサー(イルミナ社GAIIx)を用いたRNA-Seqデータとの比較統合解析を進めている。
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