2009 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症の病態生理におけるカンナビノイドの重要性についての研究
Project/Area Number |
21390332
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
橋本 隆紀 Kanazawa University, 医学系, 准教授 (40249959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田 重誠 金沢大学, 附属病院, 講師 (00323006)
山田 和男 理化学研究所, 分子精神科学研究チーム, 副チームリーダー (10322695)
吉原 亨 金沢大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任助教 (00401935)
西内 巧 金沢大学, 学際科学実験センター, 准教授 (20334790)
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Keywords | 死後脳 / GABA伝達 / マイクロアレイ解析 / 思春期 / 遺伝子多型性 / 大麻 / 先行刺激抑制 |
Research Abstract |
(1)内在性カンナビノイド代謝酵素の死後脳における発現解析 共同研究を行っている米国ピッツバーグ大学より、健常例の大脳皮質切片を凍結した状態で空輸した。内在性カンナビノイドにより制御を受けているGABA伝達関連分子の発現を、in situ hybridization法により検出し、組織レベルおよび細胞レベルにて、従来の知見と一致することを確認した。 (2)内在性カンナビノイド関連遺伝子をコードする遺伝子の変異 内在性カンナビノイド関連遺伝子や内在性カンナビノイドと関係の深いGABA伝達に関連する遺伝子より384のSingle Nucleotide Marker(SNP)を選択し、カスタムSNPアレイ(Illumina社)を作成した。現在、このアレイを用いて、分子精神科学研究チームの遺伝子バンクに蓄積された、統合失調症例および対照例から成る大規模サンプルの解析を行っている。 (3)動物モデルにおけるカンナビノイド過剰がGABA伝達および認知機能に及ぼす影響の評価 同腹同性のマウス(C57/BL6)から成る11ペアを用い、思春期(生後30-50日)に、一方のマウスにカンナビノイド受容体アゴニストであるWIN55,212-2(1.0mg/kg)、そしてもう一方のマウスに生理食塩水の腹腔投与を行い、成熟後(生後10週)に脳を取り出し、前頭部大脳皮質よりRNAの抽出を行った。このうちから、2ペアのRNAサンプルを用い、DNAマイクロアレイ解析を行ったところ、統計学的に有意な2倍以上の発現変化を示す約150遺伝子が同定された。驚愕反応測定装置を購入し、先行刺激抑制および潜在制止を野生型動物で行い、正常反応が観察されることを確認した。
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Research Products
(3 results)