2009 Fiscal Year Annual Research Report
免疫制御プログラムを組み込んだ新しい放射線治療の開発
Project/Area Number |
21390340
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
垣見 和宏 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 特任准教授 (80273358)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 恵一 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (80188896)
|
Keywords | 放射線治療 / 免疫制御 / 細胞傷害性T細胞 / MDSC / 抑制性T細胞 / Tadalafil / Cyclophosphamide |
Research Abstract |
腫瘍内には免疫応答を抑制する因子が誘導されている。その中で、腫瘍内に浸潤する免疫抑制性細胞に着目し、その制御と放射線治療の併用が抗腫瘍効果の増強につながるかどうかを検討した。特に、Myeloid derived Suppressor cell (MDSC)に着目し、その免疫抑制を解除する薬物として注目されている5'-Phosphodiesterase Inhibitor (5'-PDI)であるTadalafilとCyclophosphamideを投与して免疫応答を増強し、放射線治療併用時の効果を検討した。C57BL/6マウスの皮下に1x10*6個のB16F10メラノーマ細胞を接種し、担癌マウスモデルを作成した。腫瘍接種後第7日に少量のCyclophosphamide 50mg/Kgを腹腔内に投与した。また、Tadalafilを0.04mg/mouse経口で連日投与した。第8日に2Gyの電子線照射を行った。第22日にその腫瘍径を比較するとともに、腫瘍内浸潤リンパ球を単離し、免疫応答を詳細に解析した。単独では充分な抗腫瘍効果が得られない(腫瘍体積比83.7%)少量のCyclophosphamideの投与によりMDSCは4.9x10*6個に減少していた。単独では十分な抗腫瘍効果が得られない量の電子線照射を受けた群(腫瘍体積比83.4%)でもMDSCは4.7x10*6に減少していた。Cyclophosphamideと電子線照射の併用では、著明な抗腫瘍効果の増強(腫瘍体積比33.9%)が得られた。免疫制御能を持った薬剤の併用により、放射線治療の効果を増大させることが可能であることが明らかになった。一方同様にMDSCに作用する薬剤でもTadalafilと電子線照射を併用した群では、腫瘍体積は73.4%と、併用効果は見られなかった。免疫制御のメカニズムに基づいた併用治療の選択が必要であることが明らかになった。
|
Research Products
(7 results)