2010 Fiscal Year Annual Research Report
アミロイドを標的とするSPECT用分子イメージングプローブの構築
Project/Area Number |
21390348
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中山 守雄 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (60164373)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原武 衛 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (40325668)
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Keywords | アミロイド / アルツハイマー病 / プリオン / SPECT / 分子イメージング |
Research Abstract |
アルツハイマー病において、タンパク質アミロイドβ(Aβ)は、臨床症状が現れる以前の初期段階から沈着が起こるといわれており、脳内Aβに選択的に結合する分子イメージング用プローブの開発は、早期診断を実現できる可能性を持つものとなる。本研究は、我々が新たに開発した一連のフラボノイド化合物を、多くのアルツハイマー病患者に適用できる汎用性にすぐれたSPECT用製剤への展開を行うことを主目的とし、同時にアミロイドを病因とするプリオン病に対する分子イメージングへの展開の可能性についても検討を進めた。 一連のフラボノイド化合物について、前年度に引き続きSPECT製剤として^<99m>Tc標識体の開発を中心に研究を進めた。カルコンおよびフラボン、オーロンを基本骨格に錯体形成部位を導入した数種の標識前駆体を合成し、良好な放射化学的収率(46-93%)で^<99m>Tc標識体を得ることに成功した。また、Aβ(1-42)凝集体を用いたin vitro結合実験から、^<99m>Tc標識フラボノイド化合物いずれにおいてもアミロイド凝集体に対する結合親和性を有することが示された。正常マウスを用いた体内放射能分布実験では、^<99m>Tc標識フラボノイド化合物は投与早期における脳への移行性と、その後の経時的なクリアランスを示した。一方、Tcと同族のレニウム(Re)の錯体を合成し、Tg2576マウス脳切片を用いて蛍光染色実験を行った結果、脳切片上にRe錯体由来の蛍光像が観察され、^<99m>Tc標識フラボノイド化合物はマウス脳切片上のアミロイド斑に対する選択的結合性を有することが確認できた。 これまでに開発した、一連の標識体を用いて、BSEプリオン感染モデルマウス脳切片との蛍光染色実験を行ったところ、フラボン、カルコンおよびオーロンでは脳切片上に顕著な蛍光像は観察されなかった。一方、フラボノイドの類縁体であるスチリルクロモンでは、脳切片上に化合物由来の蛍光像が確認された。この蛍光像は免疫染色による染色部位と一致したことから、これら化合物はPrPscへの結合性を有することが示された。すなわち、AβとPrPscの2種のアミロイドを区別できる化合物開発の可能性を期待させる結果と言える。
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Research Products
(13 results)