2010 Fiscal Year Annual Research Report
水拡散測定法を用いた次世代ファンクショナルMRIメカニズムの解明とその応用
Project/Area Number |
21390352
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
小畠 隆行 独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, チームリーダー (00285107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
正本 和人 電気通信大学, 先端領域教育研究センター, 特任准教授 (60455384)
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Keywords | 水拡散 / MRI / 機能イメージング / 分子イメージング |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、「ヒトMRI、動物MRI、動物レーザー顕微鏡を結ぶ共通のプラットフォームを完成させ、臨床で観測される拡散脳機能MRI(D fMRI)の変化と細胞レベルでの生理学的・病理学的変化とのマッチングをはかるとともに、DfMRIを用いた臨床疾患診断に向けたエビデンスを提供していく」であり、2年目の平成22年度では21年度に作成した実験系のベースとなる「共通のプラットフォーム」を利用して、以下に示す応用研究を進めた。 1)DfMRI信号と神経活動の一致性の検証のため、BOLD fMRIとDfMRIを同時に取得できるシーケンスなどを用いて両者における賦活領域の差異を検証した。後者がより皮質に限定される傾向にあった。 2)静磁場の違い、および、動物種の違いがDfMRI信号変化に及ぼす影響を解明するため、7テスラにおける、齧歯類を用いたDfMRI撮像を行い、ヒトでの研究結果との比較を行った。ヒトでの結果と異なり、水拡散に起因する信号が弱いことが示唆された。 3)ヒトDfMRIの臨床応用に向けた基礎研究として、放射線照射により脳に障害を与えたラットを用いて拡散強調画像信号変化とレーザー顕微鏡で示される細胞レベルでの生体変化を比較した。マクロでとらえられる水拡散イメージングと細胞レベルでの循環代謝変化とを関連付ける所見が得られた。 4)動物実験に基づき、臨床に応用可能なプロトコールの原案を作成した。先行研究を参考にしながら、本課題で得られた知見や技術を組み込んだプロトコールの基礎を構築した。23年度にプロトコールを完成し、基礎検証を行う予定である。
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Research Products
(5 results)