2011 Fiscal Year Annual Research Report
水拡散測定法を用いた次世代ファンクショナルMRIメカニズムの解明とその応用
Project/Area Number |
21390352
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
小畠 隆行 独立行政法人放射線医学総合研究所, 重粒子医科学センター, チームリーダー (00285107)
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Keywords | 水拡散 / MRI / 機能イメージング / 分子イメージング |
Research Abstract |
最終年度となる23年度は、in vitro実験、動物実験、人を対象とした測定の結果を各々解析するとともに、それぞれの解析結果を横断的に評価し、DfMRIのメカニズム解明を試みた。 in vitro実験では、アクアポリン発現制御細胞を用いて細胞膜水透過性の拡散MRI信号に対する影響を評価した。強い拡散強調の下でのみ細胞膜水透過性の変化を捉える事が可能であった。 動物実験では、人と類似したプロトコルを用いて測定したDfMRI結果をまとめて論文発表を行った。人を対象とした測定と異なり、拡散強調の強さと信号変化との間には有意な関係は見出されなかった。 人を対象とした研究では、DfMRIで得られた信号からBOLD成分と低拡散水フラクション(細胞膨化を反映)を独立情報として抽出し、脳賦活との対応を見た。脳賦活による信号変化はBOLD成分が主体であったが、低拡散水フラクションもわずかに増加していた。 in vitro実験で得られた結果はDfMRIのような強い拡散強調の下では細胞レベルの水拡散情報を主に反映した信号が得られる事を示唆している。人のDfMRI測定の解析から導き出されたBOLD成分以外の信号は、この細胞レベルの変化を捉えた新しい生体情報を反映している可能性がある。しかし、動物実験でこの成分は確認できず、静磁場の影響や種差によって影響を受ける信号成分であることが示唆された。
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Research Products
(5 results)