2010 Fiscal Year Annual Research Report
膵液中分子マーカーによる膵がん診断研究の総括とIPMN subtypeの臨床応用
Project/Area Number |
21390380
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
水元 一博 九州大学, 大学病院, 准教授 (90253418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 純二 九州大学, 大学病院, 助教 (90529801)
当間 宏樹 九州大学, 大学病院, 助教 (80437780)
冨永 洋平 九州大学, 大学院・医学研究院, 特任講師 (90304823)
佐藤 典宏 九州大学, 大学院・医学研究院, 共同研究員 (20423527)
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Keywords | 膵癌 / mRNA/microRNA / IPMN |
Research Abstract |
本研究の開始に先立ち、1992年から2008年までに当科で切除した通常型膵管癌と膵管内乳頭粘液性腫瘍(intraductal papillary mucinous neoplasm ; IPMN)症例の予後調査を完了していた。病理医により、IPMN90例と通常型膵管癌120例のホルマリン固定パラフィン包埋組織標本の代表切片の選択をあらかじめ行ってもらい、その薄切切片を顕微鏡下に非腫瘍部分を排除(マクロダイセクション)して、Total RNAを抽出した。これまでの報告とマイクロアレイ解析を含めた基礎的実験により標的mRNAおよびmicroRNA群を選択し、定量的real-time RT-PCR法を用いて発現解析を進めてきた。これまでに、我々はS100A4やmicroRNA-17-5pの発現が高いと通常型膵管癌の予後が不良であることを報告した。一方、microRNA-200cの発現はE-cadherinの発現に関与し、通常型膵管癌において、microRNA-200cの発現が高いと予後良好であることを示した。また、IPMNではREG4の発現がintestinal type IPMNに関与することを報告した。平成22年度には、通常型膵管癌においてmicroRNA-203の高発現が独立した予後不良因子であることを解明し、論文発表した。また、内視鏡的に術前採取した通常型膵管癌の膵液検体を用いて、microRNAの発現解析を行い、miRNA-21やmiRNA-155の発現が増加していることを報告した。IPMNについては、claudin-4の発現がIPMNの癌化の過程に関与し、特にintestinal typeへの分化経路に関与することを報告した。引き続き平成23年度も、豊富な臨床検体を用いて、他のtarget geneによる発現解析を行い報告していく。更には、膵液中での遺伝子発現解析を行うことで、今後の臨床応用にも発展させていく予定である。
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Research Products
(4 results)