2011 Fiscal Year Annual Research Report
膵液中分子マーカーによる膵がん診断研究の総括とIPMN subtypeの臨床応用
Project/Area Number |
21390380
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
水元 一博 九州大学, 大学病院, 准教授 (90253418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 純二 九州大学, 大学病院, 助教 (90529801)
当間 宏樹 九州大学, 大学病院, 講師 (80437780)
佐藤 典宏 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (20423527)
大内田 研宙 九州大学, 医学研究院, 講師 (20452708)
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Keywords | 膵癌 / mRNA/microRNA / IPMN |
Research Abstract |
本年度はまず、1992年から2011年までに当科で切除した通常型膵管癌と膵管内乳頭粘液性腫瘍(intraductal papillary mucinous neoplasm ; IPMN)症例の予後調査の更新作業を行った。それに伴い、新たに本年追加された組織標本を用いて、その薄切切片を顕微鏡下に非腫瘍部分を排除(マクロダイセクション)して、Total RNAを抽出し、実験検体を追加した。これまでの報告とマイクロアレイ解析を含めた基礎的実験により標的mRNAおよびmicroRNA群を選択していたものを、定量的real-time RT-PCR法を用いて発現解析を進めてきた。これまでに、我々はS100A4やmicroRNA-17-5pの発現が高いと通常型膵管癌の予後が不良であることや、microRNA-200cの発現はE-cadherinの発現に関与し、通常型膵管癌において、microRNA-200cの発現が高いと予後良好であることを示した。平成23年度は、膵癌のEGFR mRNA発現レベルがジェムザールによる術後化学療法による予後決定因子となりうることや、Claudin-4 mRNA発現レベルが膵癌予後規定因子となりうることを見出し、論文報告を行った。また、SenescenceがIPMNへの関与していることや、Insig2 mRNAが膵癌中で過剰発現し膵癌の低酸素状態と関連していることなどを報告した。また、ジェムザール耐性膵癌細胞株を樹立し、ジェムザール耐性に関与する24のmicroRNAを同定した。臨床検体を用いて解析では、ジェムザール治療群において、miR-142-5pおよびmiR-204の高発現群が予後良好であることを見出した。特にmiR-142-5pはジェムザール治療群において独立予後規定因子であった。
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