2011 Fiscal Year Annual Research Report
iPS細胞を応用した自己心筋組織による不全心に対する新しい再生療法の開発
Project/Area Number |
21390387
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
松宮 護郎 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (20314312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤 芳樹 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00243220)
倉谷 徹 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (90448035)
上野 高義 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (60437316)
坂口 太一 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座准教授 (10467574)
宮川 繁 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (70544237)
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Keywords | iPS細胞 / 心筋細胞 / 細胞シート / 心不全 |
Research Abstract |
iPS細胞由来心筋細胞シートを作成し、ヌードラット心筋梗塞モデルに移植し、経時的な電気生理学的検討、心機能の推移を観察した。iPS細胞由来心筋細胞シートと新生仔心筋細胞シートは移植後3日にて、電気生理活性の認められなかった梗塞巣に、生理活性が観察されるようになり、その同時期に、心機能が改善した。比較対象群として、線維芽細胞シート、筋芽細胞シートを同ラットに移植したが、レシピエント心との電気的統合は起こらず、心筋細胞シートと比較して、心機能改善率も低値であった。iPS細胞由来心筋細胞シートはラット梗塞心に生着し、in vivoにおいて同細胞はサルコメア構造を有しており、デスモゾームを介して細胞同士が接着し、生着しているのが観察された。 また、hiPS細胞をin vitroで心筋細胞に分化誘導し、10^7個のiPS細胞由来心筋細胞を獲得し、大量培養した心筋細胞を用いて、温度応答性培養皿にてシートを作成した。iPS由来心筋細胞シートを慢性梗塞ブタの梗塞領域に移植した。心臓超音波検査、CT検査にて、左室収縮能の向上、左室容量の減少を認め、電位の低下した梗塞巣の電気ポテンシャルを向上させることができた。また、iPS由来心筋細胞シート移植群では、HGF等のサイトカインの発現向上を認め、本細胞シートはパラクライン効果を有することが証明された。組織学的に、iPS細胞由来心筋細胞の残存を確認したが、細胞数としては少量であり、細胞をいかにして残すかが今後重要な課題であるものと思われる。
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Research Products
(5 results)