2011 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム病としての男性不妊症の研究-ゲノム再組換えと精子タイピング-
Project/Area Number |
21390438
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
高 栄哲 金沢大学, 医学系, 准教授 (90283134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
並木 幹夫 金沢大学, 医学系, 教授 (70155985)
前田 雄司 金沢大学, 附属病院, 特任助教 (20377394)
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Keywords | 精子 / ヒトゲノム / ハプロタイプ / FISH / 再組換え / 繰り返し配列 / Y染色体 / 減数分裂 |
Research Abstract |
単一精子の回収をおこなう技術およびハプロイド全ゲノムの増幅をDNAポリメラーゼを用いて前年度まで完成させている。NcBIデータベース(Build36)などのデータベースからハプロタイプの候補を検索した。ハプロタイプゲノムの塩基配列を比較し、Y染色体には繰り返し配列が多いことから、RepeatMaskarのソフトウエアを用い、その繰り返し配列の由来をスクリニングした。特に、精子形成領域にある8つのパリンドローム配列の由来を、Y染色体に挿入されているヒト内在性レトロウイルス(HERVs)をマーカーに行うことができると考えた。Y染色体長腕上にある、8つのパリンドローム構造(P1-8)は繰り返し配列が多いため相同再組換えが生じ、ゲノムの欠失が生じやすい。レトロウイルスは、その両端のLITR(long terminal repeat)が存在し、進化の過程で再組換えで単一LTRが存在し、後生に伝達される機構をマーカーとした。特に、約3000万年前にヒトの共通祖先に感染しゲノムに取り込まれれ、HERVの一つであるHERV-K14Cの痕跡を検証することにより、Y染色体パリンドローム構造の生成について検討できることをみいだした。ソフトウエアMEGA4を用いてTheneighbor-joiningtrees系統図を作成し進化のマーカーにした。旧世界ザルと新世界ザルのゲノムDNAを用いた。Y染色体上にHERV-K14Cは146存在し29はY染色体に位置した.この29のHERVは各パリンドロームに分散しており、約810万年前大型類人猿時期に大きくY染色体のパリンドローム構造は分化したと考えられる。系統図の分析からP1.1/2、P3とP4がゴリラ系から出現することから、P1とP3,P4は約1000万年前にduplicationが生じ、パリンドローム構造が完成したと考えられた。精子形成領域である、P1.1/2、P3の安定化に関与している可能性が考えられた。
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Research Products
(1 results)