2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト卵巣凍結の臨床応用に向けた基礎的検討~手術及び凍結の技術革新~
Project/Area Number |
21390455
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
久慈 直昭 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (80169987)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 宏志 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (60333473)
柏崎 直巳 麻布大学, 獣医学部, 教授 (90298232)
|
Keywords | 移植・再生医療 / 医療・福祉 / 再生医学 |
Research Abstract |
交流磁場付加凍結法の有効性について、マウス卵巣緩速凍結における磁場付加の影響を形態学的に検討した。3,5および10週齢のマウス卵巣を交流磁場存在下および非存在下に緩速凍結法にて凍結保存し、融解後、組織学的に原始卵胞および1次卵胞の形態を評価した。その結果、週齢に係り無く、45-50%の卵胞が良好な形態を示した。10週齢の卵巣においては、交流磁場存在下の緩速凍結法では63%の卵胞が良好形態を示したのに対して、交流磁場非存在下では良好形態を示した卵胞は46%であった。この条件で凍結した卵巣を現在凍結中であり、次年度にNOD-SCIDマウス卵巣部への移植により交流磁場付加の緩速凍結法における有効性検定を行う予定である。 一方ブタ卵巣の交流磁場付加保存のための基礎実験として、58日齢および86日齢のブタ各々3頭から卵巣を摘出し、その表層組織片をガラス化保存した。保存後の組織片を加温後、組織学的観察、組織片よりcDNAを作製してRT-PCR法によりb-aotinおよびGAPDHの遺伝子発現について調べた。さらに、卵巣移植を検討するために6ヵ月齢の卵巣を除去し、その1つを逆側に移植することを試みた。その結果、ガラス化保存したブタ卵巣表層組織には、その数が滅少したものの形態が良好な原始卵胞および1次卵胞(約半数)が観察された。さらに、6組織片中5片からb-actinおよびGAPDHの遺伝子発現が認められた。卵巣移植については、反対側へ移植した卵巣が生着し、血液中のインヒビン濃度の推移から、卵胞の存在が示唆された。
|