2009 Fiscal Year Annual Research Report
血液細胞-血管内皮相互反応制御及び低酸素イメージングによる眼虚血性疾患の病態解明
Project/Area Number |
21390466
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮本 和明 Kyoto University, 医学研究科, 講師 (90359810)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 長久 京都大学, 医学研究科, 教授 (70211662)
辻川 明孝 京都大学, 医学研究科, 講師 (40402846)
野中 敦之 京都大学, 医学研究科, 助教 (40532601)
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Keywords | 白血球-血管内皮相互反応 / 網膜循環 / 網膜静脈閉塞症 / 黄斑浮腫 / 3次元光干渉断層計 / 網膜感度 / 抗血管内皮増殖因子(VEGF)抗体 / 網膜視細胞内節外節結合部(IS / OS) |
Research Abstract |
網膜循環障害である網膜静脈閉塞症(retinal vein occlusion ; RVO)は、黄斑部に浮腫を生じることによって重篤な視機能障害をもたらす疾患である。この黄斑浮腫の形態と網膜層構造の変化が、RVOの視機能予後にどのような影響をもたらすかについて、高解像度光干渉断層計(high resolution optical coherence tomography ; OCT)を用いて検討した。抗血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor ; VEGF)抗体は、硝子体内に注射することで、比較的速やかにRVOによる黄斑浮腫を治癒せしめるが、この治療により黄斑浮腫が消失したRVOの視力予後を検討したところ、治療前に中心窩下に網膜視細胞内節(inner segment ; IS)と外節(outer segment ; OS)の結合部(IS/OS)ラインが検出された症例は、黄斑浮腫治癒後の視力が良好であった。これにより、RVOに伴う黄斑浮腫発症時に、中心窩下にIS/OSラインが検出できるか否かで、黄斑浮腫治癒後の視力予後を予測できる可能性があることが示唆された。また、RVOに伴う黄斑浮腫に対し、抗VEGF抗体の硝子体内注射を施行した症例の黄斑部領域の網膜感度を、微小視野計(microperimeter-1 ; MP-1)を用いて検討したところ、黄斑部領域の網膜感度は治療後1カ月後に著明に改善し、3カ月後、6カ月後と維持されていた。これにより、RVOによる黄斑浮腫で障害された黄斑部機能は、抗VEGF抗体の硝子体内注射により速やかに改善し、その改善効果は少なくとも6カ月間は続くことが分かった。
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Research Products
(4 results)