2009 Fiscal Year Annual Research Report
歯槽骨破壊を阻止するための新規治療法開発の基礎研究
Project/Area Number |
21390498
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
宇田川 信之 Matsumoto Dental University, 歯学部, 教授 (70245801)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小出 雅則 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 講師 (10367617)
中村 美どり 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (90278177)
中道 裕子 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 助教 (20350829)
上原 俊介 松本歯科大学, 歯学部, 助教 (90434480)
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Keywords | 歯槽骨 / 骨吸収 / 歯周病 / ミノサイクリン / 破骨細胞 / 樹状細胞 / マクロファージ / 貪食能 |
Research Abstract |
高齢者における歯の喪失は、歯周疾患による歯槽骨吸収が大きな原因を占める。そして、歯の喪失は、発音機能や咀嚼機能の低下を招き、全身の栄養状態やQOLの低下につながることが、高齢化社会の到来と共に問題となっている。歯の喪失部位には、常に歯槽骨吸収が惹起されるため、義歯の装着による咀嚼機能の回復は十分なものではない。 テトラサイクリン系抗生物質であるミノサイクリンによる破骨細胞の分化と骨吸収機能に対する作用について細胞培養系にて検討した。また、ミノサイクリンのin vivoでの骨吸収作用を解析すると共に、免疫系細胞である樹状細胞の分化に対するミノサイクリンの作用を検討した。その結果、1.マウス骨髄細胞培養系におけるRANKL誘導性の破骨細胞形成および骨吸収活性を、ミノサイクリンは強力に阻害した。2.マウス頭蓋皮下へのRANKL投与による骨吸収誘導モデルにおける骨吸収を、ミノサイクリンは強く抑制した。3.骨髄マクロファージによる貪食能を蛍光ビーズにより評価したところ、ミノサイクリンはマクロファージによる貪食能には影響を与えなかった。4.Flow Cytometerを用い、骨髄マクロファージの樹状細胞への分化に対するミノサイクリンの影響を検討したところ、ミノサイクリンは、破骨細胞の分化を抑制する作用とは逆に、骨髄マクロファージの樹状細胞への分化を促進した。 以上の結果から、ミノサイクリンは抗菌作用と骨吸収抑制作用のみならず、免疫作用を賦活化する作用を有する可能性が示された。
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Research Products
(5 results)