2010 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄癌幹細胞を核とする癌骨転移の成立・進展メカニズムの解析
Project/Area Number |
21390505
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
平賀 徹 松本歯科大学, 歯学部, 准教授 (70322170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細矢 明宏 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (70350824)
二宮 禎 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 講師 (00360222)
小林 泰浩 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 准教授 (20264252)
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Keywords | 癌 / 癌幹細胞 / 骨転移 |
Research Abstract |
1. 癌細胞株における癌幹細胞の同定 ヒト乳癌細胞株(MDA-MB-231, MDA-MB-453, MCF-7, OCUB-M)、およびマウス乳癌細胞株(4T1, Jyg-MC(A),MMT 060562, BALB-MC)を用い、乳癌幹細胞の細胞表面マーカーとして最も多くの報告のあるCD44^+/CD24^-を指標とし、fluorescent-activated cell sorter(FACS)を用い、乳癌幹細胞の同定を行った。その結果、今回検討した全ての細胞株において、割合は異なるものの、CD44^+/CD24^-細胞の存在が確認された。 2. 癌幹細胞の生物学的機能解析 上記1で検討した細胞のうち、対照としてCD44^+/CD24^+細胞を同時に単離可能であった細胞株(4T1, Jyg-MC(A), MMT 060562, BALB-MC)について、癌幹細胞様形質の比較検討を行った。in vitroでの単層増殖、sphere形成において、両者の間に有意な差は認められなかった。また、ヌードマウス乳腺への移植実験における増殖能についても差は認められなかった。 以上の検討から、少なくとも今回検討した細胞株では、CD44^+/CD24^-画分の細胞がCD44^+/CD24^+画分の細胞と比較して、明らかな癌幹細胞様形質を有することを見出すことは出来なかった。その原因として、(1)CD44^+/CD24^-画分が、今回検討した細胞株においては、癌幹細胞マーカーとして不適切であった、(2)株細胞を用いることが癌幹細胞の検討には不適切である、などが可能性として考えられる。来年度は、今回比較検討を行っていないCD44発現の癌幹細胞形質に対する関与を中心に検討を進めていく予定である。
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