2011 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄癌幹細胞を核とする癌骨転移の成立・進展メカニズムの解析
Project/Area Number |
21390505
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
平賀 徹 松本歯科大学, 歯学部, 准教授 (70322170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細矢 明宏 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (70350824)
二宮 禎 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 講師 (00360222)
小林 泰浩 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 准教授 (20264252)
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Keywords | 癌 / 癌幹細胞 / 骨転移 |
Research Abstract |
本年度は、多くの癌種において代表的な癌幹細胞マーカーとして知られているCD44に焦点を絞り、癌幹細胞形質に対する関与について検討を行った。 1.骨転移癌細胞株におけるCD44発現 動物実験モデルにおいて高率に骨転移形成を示すことが知られている癌細胞株について、そのCD44発現を検討したところ、全ての細胞株において高いCD44発現が認められた。一方、骨転移形成能の低い細胞株では、CD44発現は低かった。 2.CD44の癌幹細胞様生物学的形質および機能に対するin vitro解析 CD44の生物学的機能をin vitroおよびin vivoにおいて検討するために、まず、CD44のノックダウンおよび過剰発現細胞株を樹立した。これらの細胞株を用い、増殖能、tumorsphere形成能、走化能、浸潤能についてIn vitroにて検討した結果、単層培養での増殖能のみ差を認めなかったものの、それ以外は全てCD44発現との間に正の相関が認められた。 3.CD44の癌幹細胞様生物学的形質および機能に対するin vivo解析 2で樹立した癌細胞株を用い、in vivoでの腫瘍形成能、増殖能、および骨転移能についてマウスモデルを用い、検討した。その結果、CD44ノックダウン細胞株では腫瘍形成能、増殖能、骨転移能の全てにおいて著明な抑制が認められた。 以上の結果から、CD44が癌幹細胞形質の発現に関与することが示された。また、骨転移形成についても促進的に作用することが明らかとなった。来年度は、CD44の機能分子としての役割を明らかにするために、CD44のリガンドとなる細胞外マトリックス分子に焦点を当て、検討を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度は、交付申請書に記載した研究実施計画に沿って実験を行った結果、計画の目標はほぼ達成されたと評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度は癌幹細胞マーカーの一つであるCD44に焦点を絞り検討を進めた結果、ほぼ仮説にあった結果を得ることができた。24年度は、本結果をもとに、CD44の機能分子としての役割を明らかにし、骨転移治療の標的候補分子についても検討を行っていく予定である。
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Research Products
(40 results)