2009 Fiscal Year Annual Research Report
化合物および新規タンパク質を用いた病原性口腔バイオフィルムの制御システムの開発
Project/Area Number |
21390506
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
泉福 英信 National Institute of Infectious Diseases, 細菌第一部, 室長 (20250186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河原井 武人 国立感染症研究所, 細菌第一部, 研究員 (90409079)
菅野 直之 日本大学, 歯学部, 准教授 (30246904)
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Keywords | バイオフィルム / 抑制物質 / ペプチド / 唾液分泌低下 / う蝕予防 / Streptococcus mutans / Streptococcus gordonii / NOD / SCID, E2f-1^<- / -> |
Research Abstract |
水溶性の有機化合物であるPolypyrrolesにて唾液コートしたハイドロキシアパタイトディスクを処理するとS.mutansのバイオフィルム形成は、抑制された。このPolypyrrolesは、う蝕を予防するための材料として有用であることが考えられた。S.salivarius HT9R株のゲノムシークエンスを明らかにした。次にS.salivariusの培養上清中のS.mutansのバイオフィルム形成を抑制する物質およびCSP活性を抑制する物質を精製しTOF-MASS解析を行った。その結果、抑制サンプルには、フルクトシルトランスフェラーゼおよびフルクタナーゼが含まれることが明らかとなった。市販のフルクタナーゼを購入しその活性を検討すると、明らかにS.mutans GS-5株のバイオフィルム形成とCSP活性を抑制していた。よって、フルクタナーゼがS.salivariusが産生する抑制物質の一つであることが明らかとなった。唾液分泌低下マウスであるNOD/SCID, E2f-1^<-/->マウスを利用して、S.mutansの口腔感染モデル実験系を確立する検討を行った、Streptococciの表層タンパク質に対する唾液レセプターが含まれるヒト唾液をマウス口腔に処理し、その後S.mutans菌液を接種すると、有意にS.mutansが長時間歯表面に定着するのが認められた。よって、このマウスを用いれば、上述の検討で明らかとなった抑制物質の効果をin vivoで検討することが可能となる。現在、抑制物質の組換え体の作製ならびにアグルチニンやアミラーゼなどの唾液レセプターを利用した口腔感染モデルマウスの確立の検討を行っている。
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Research Products
(15 results)