2011 Fiscal Year Annual Research Report
化合物および新規タンパク質を用いた病原性口腔バイオフィルムの制御システムの開発
Project/Area Number |
21390506
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
泉福 英信 国立感染症研究所, 細菌第一部, 室長 (20250186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中尾 龍馬 国立感染症研究所, 細菌第一部, 主任研究官 (10370959)
菅野 直之 日本大学, 歯学部, 准教授 (30246904)
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Keywords | バイオフィルム / IgA / ペプチド / フルクタナーゼ / う蝕予防 / Streptococcus mutans / Streptococcus gordonii / NOD/SCID,E2f-1 |
Research Abstract |
昨年と同様に唾液分泌低下マウスであるNOD/SCID,E2f-1^<-/->マウスを利用して、S.mutansの口腔感染モデル実験系を確立する検討を行った、ヒト唾液や唾液成分を菌を感染する前に口腔に2.5分処理をすると、菌の定着量が上昇することが明らかとなった。特にIgAの生理的濃度で処理をすると、アルブミン、ムチン、リゾチームよりも、コントロールとして用いたカゼインよりも菌接種後120分で有意にS.mutansの歯表面定着量が上昇した。この理由を検討するために、IgAとS.mutansをあらかじめ反応させ、その後遠心により抗S.mutans抗体を除去したIgAサンプルを作製した。このサンプルは、前処理により歯表面において菌の定着量が上昇することがなかった。よって、唾液成分の前処理におけるS.mutansの定着量の上昇は、抗S.mutans抗体の存在が深く関わっていることが明らかとなった。しかし菌を接種して24時間経つと、定着量は著しく減少した。このままでは長期の感染実験に使用することができない。そこで菌を接種してから低濃度スクロース水(i%)とスクロースを含まない固形食を同時に与えた。その結果、スクロース水や固形食を単独で与えた場合よりも有意にその定着量が上昇した。これで、S.mutansの口腔感染モデルを確立することができた。そこで、このモデルを利用して、昨年度バイオフィルム抑制剤として明らかにしていたフルクタナーゼの効果の確認を行った。さらにこのマウスを利用して、以前に抑制効果を明らかにしていたSspB(390-T400K-402)ペプチドの抑制効果についても確認した。Actinomyces naeslundiiやStreptococcus gordonjiiの単独接種や混合接種の効果の検討も行った。その結果、混合接種は単独接種よりも有意に個々の定着量を上昇させた。
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Research Products
(8 results)