2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21390550
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
宮沢 裕夫 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 教授 (90147637)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 浩志 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (00278178)
中村 美どり 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (90278177)
中道 裕子 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 講師 (20350829)
宇田川 信之 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (70245801)
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Keywords | 歯髄細胞 / 歯根膜細胞 / 石灰化 / 骨形成 / アルカリホスファターゼ / アリザリンレッド染色 / ウシ胎児血清 / 無血清培地 |
Research Abstract |
歯髄は、脱落乳歯や歯科矯正治療における便宜抜去歯などから容易に採取可能であり、自己移植材料として有用と考えられる。近年、脱落乳歯や抜去歯を液体窒素中に保存することにより、将来生じる骨欠損部への移植材料として保存するバンキング医療産業も確立しつつある。我々は、歯科矯正の際に行われる便宜抜去により得られた歯から歯髄組織を取り出し、細切した組織をコラーゲンゲル内に埋入し歯髄組織からの細胞増殖を期待した。その結果、十分な数の歯髄由来の細胞を得ることが出来た。そこで、これらの細胞の石灰化能力を検討するために、各種条件で培養した後、アルカリホスファターゼ染色とアリザリンレッド染色を行った。また、将来的にこれらのヒト由来の細胞を再生医療の材料として応用するために、ウシ胎児血清(FBS)と共に、ヒト間葉系幹細胞培養用に開発された無血清培地(STEM PRO)を使用して培養を行った。さらに、歯髄細胞の対象群として、ヒト胎児由来間葉系初代細胞(市販)を上記の条件で培養し、比較検討した。その結果、ヒト歯髄細胞において強いアルカリホスファターゼ活性を示すことが明らかとなった。ウシ胎児血清(FBS)のみならず、無血清培地(STEM PRO)においても歯髄細胞の強いアルカリホスファターゼ活性が認められた。石灰化能を検討するために、βグリセロリン酸とアスコルビン酸を添加した培養液にて4週間培養したそれぞれの細胞に対してアリザリンレッド染色を行った。その結果、ヒト歯髄細胞のみならず歯根膜細胞においても強い石灰化が認められた。以上の実験結果を踏まえて、ヒト歯髄細胞を免疫不全マウス(RAG-1欠損マウス)に移植して、硬組織形成能を解析する実験を現在行っている。
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