2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21390562
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
小野塚 実 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (90084780)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兼松 雅之 岐阜大学, 医学部附属病院, 准教授 (40252134)
富田 美穂子 松本歯科大学, 歯学部, 准教授 (00366329)
久保 金弥 星城大学, リハビリテーション学部, 教授 (00329492)
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Keywords | 認知症 / 神経科学 / 認知機能 / 脳の老化 / 口腔ケア / ブラッシング / かな拾いテスト / MMSE |
Research Abstract |
介護予防プログラムに口腔ケアが導入されて以来、口腔ケアと全身機能との関係が強く指摘されるようなった。本研究では、一般健常高齢者と老人保健施設に収容されている高齢者において、ブラッシングしない時とブラッシング直後に2種類の神経認知機能検査(MMSE、かな拾いテスト)および2種類の先端医療技術(磁気共鳴機能画像法(fMRI)と光トポグラフィ)を用い、ブラッシングによる前頭前野の賦活と再生及び認知機能の向上を世界に先駆けて解明し、口腔ケアの神経科学的意義を社会にアピールすることをゴールとする。本研究は高齢者ボランティア(60-75歳)を用い、3ヵ年計画で行う。 本年度は、老人保健施設に収容されている高齢者(寝たきり老人を含む)を対象に前年度と同様の実験を行い、施設高齢者の認知機能に及ぼすブラッシングの効果を検索した。そして、神経認知機能に及ぼすブラッシングの効果が健常者と寝たきり患者で違いが認められるか解析した。 その結果、以下の成果が得られた。 (i)老人保健施設に収容されている高齢者にブラッシングを施すことにより、MMSE (Mini-Mental Status Examination)とかな拾いテストのスコアが上昇することがわかった。 (ii)前年度と同様に、この2つのテストのスコアの上昇を年齢別に解析したところ、年齢が高まるほどブラッシングの効果が大きかった。 (iii)さらに、寝たきり患者ではブラッシングの効果が著名であった。 以上の結果より、寝たきり老人を含む施設高齢者に「ブラッシング」を施すことにより、神経認知機能が向上することが示唆された。
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