2010 Fiscal Year Annual Research Report
女性生殖器系がんサバイバーのためのテーラーメイドケアの開発と評価
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21390585
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
飯岡 由紀子 聖路加看護大学, 看護学部, 准教授 (40275318)
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Keywords | がんサバイバー / テーラーメイドケア / 女性生殖器系がん / システマティックレビュー / ケアシステム開発 |
Research Abstract |
【目的】昨年度実施した実態調査(女性生殖器系がんサバイバーの健康上の問題と生活上の困難の経時的変化)を基に、ケア構築に向けたシステマティックレビューを行うことが本年度の目的だった。 【結果】実態調査データの分析からは、女性生殖器系がんサバイバーに対するケアとして、6つのテーマが抽出された(「リンパ浮腫」「セクシュアリティ」「更年期症状」「メンタルサポート」「排泄障害」「再発の症状緩和」)。レビューアー12名でテーマを分担し、各テーマに応じたクリニカルクエスチョン(CQ)を立案した。CQの大要はテーマの実態、関連要因、効果的なケアを明らかにすることである。司書や研究メンバーで、検索キーワードと検索式を検討した。検索結果に関してレビューアーと会議を繰り返し、検索式を洗練させた。全体的に、治療や予防の文献は多いがケアに関する文献が少ないため検索式の検討は難行し、多数のキーワードを採用し広範囲から検討することとした。医中誌Web、PubMed、CINAHLを用いて5204件の文献がピックアップされた。文献のタイトルと概要を検討し、評価に用いる文献リストを作成した(リンパ浮腫79件、セクシュアリティ88件、更年期症状58件、メンタルサポート115件、排泄障害55件、再発の症状緩和106件、合計501件)。Oxfordエビデンスレベルを用いてCQを基にレビューを執行中である。立案したCQのうち、テーマの実態や関連要因は解決する可能性があるが、効果的なケアは文献数が限られエビデンスレベルも低く有益な解決が導きだせない可能性が高い。 【考察・今後の課題】網羅的にレビューをしても、女性生殖器系がんの看護に関する文献は限られた。効果的なケアが抽出できないテーマがあると思われるが、その場合は実態や関連要因からケアを構築する。 今後はシステマティックレビューを完了させ、ケアのコンテンツ作成が課題となる。
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