2009 Fiscal Year Annual Research Report
認知症本人と家族支援のための「健康・病・介護体験の語り」Webサイトの構築と評価
Project/Area Number |
21390598
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
竹内 登美子 University of Toyama, 医学薬学研究部(医学), 教授 (40248860)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新鞍 真理子 富山大学, 医学薬学研究部(医学), 准教授 (00334730)
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Keywords | 認知症 / 家族支援 / 介護 / 語り / Webサイト |
Research Abstract |
本研究は「認知症の人と家族」に対して、病気と向き合うために必要な情報および、心の支えとなる情報を提供すると共に、学術研究および保健医療教育の情報源となる語りのデータをデータベース化し、ウェブページを構築することを最終目的としている。 本年度は、「認知症の人と家族の語り」を体系化したシステムとしてデータベース化するために、先ず、半構成的インタビューガイドのフレームワークを作成し、そのインタビューガイドに基づいて3名の研究参加にインタビューを実施した。1名はビデオ映像、2名は音声録音の許可を得てデータ収集し、現在その分析中である。 具体的には、英国Oxford大学で作成されたDatabase of Individual Patient Experiences (DIPEx)が31名の介護者へのインタビューをデータベース化したCarers of people with dementiaを質的記述的に分析し、それらから抽出した6テーマと31サブテーマを踏まえ、日本の文献について統合的文献検討を実施した。"認知症・高齢者・家族・介護・看護"をキーワードに、コンピュータによるデータベース(医中誌,CiNii,社会老年学文献;2005-2010)からの文献検索、および収集文献の引用文献目録からの手動検索を実施した結果、128の文献(原著、総説、事例、研究報告を含む)が抽出された。最終的に、家族介護者の現状を焦点とした原著12編を統合して"介護者のうけとめ"としてまとめ、DIPExから抽出されたテーマに統合して13の直接質問を作成した。 その後、富山大学の倫理審査委員会の承諾(臨認21-39号)を得て、3名(認知症本人1名、家族介護者2名)のインタビューを実施した。現在介護を担っている家族からのインタビューでは、自然な語りの中でほとんどの質問がカバーされていた。また家族からも「話を聞いてもらえてすっきりした」というカタルシスの効果を確認できた。研究者間でインタビューガイドを検討した結果、内容の追加や修正箇所は見いだされていない。
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