2011 Fiscal Year Annual Research Report
認知症高齢者の身体合併症治療時の看護スキルと看護管理方法の開発
Project/Area Number |
21390605
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
湯浅 美千代 順天堂大学, 医療看護学部, 先任准教授 (70237494)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 郁子 千葉大学, 大学院・看護学研究科, 教授 (10197767)
大塚 眞理子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (90168998)
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Keywords | 認知症高齢者 / 身体合併症 / 看護スキル / 看護管理 / 普及 |
Research Abstract |
本研究では、認知症高齢者が身体合併症のために入院治療を受ける際に必要となる看護スキルならびに普及方法を含めた看護管理方法を日本の医療現場に即した形で開発することを目的としている。本年度は、整理した看護スキルと看護管理方法を急性期病院で活用できる方法として開発し、検証のための介入を開始することを目標とした。4つの急性期病院にて、アクションリサーチの手法による介入を開始し、開始前に、評価のための質問紙調査とインタビューを行った。 介入は、まず第1段階として看護管理者を対象とし、導入となるワークショップを行った。病棟の現状と理想、具体的な普及の方法をイメージする内容である。ここで研究協力病棟を募り、第2段階に進んだ。第2段階は各病棟の課題や管理者のビジョンにそって病棟の管理者と推進者が取り組みを企画するところから始めている。研究者は研究成果をもとにアイデアを出し、企画運営のサポートを行う。現在行っている取り組み内容には、研究者がリソースとなって事例検討を行う、研究者が作成した認知症看護の評価視点を手がかりに自分たちの行っているよい看護をカンファレンスで見出す、課題と感じている身体拘束を減らす試みを行うなどがある。 第1段階の評価としてアンケートを行い、参加者110名分の集計を行った。ワークショップ内容は概ね「役に立った」「認知症着護への意欲や関心を増した」という回答であった。ほとんどの回答者が自由記述欄に記載しており、参加の積極性が伺われた。第2段階の介入前調査から、どの病院も認知症高齢者の転倒事故や点滴類の自己抜去等を予防するために身体拘束を行っており、これが看護スタッフ、管理者の心理的負担、認知症看護に対する低い自己評価に関連すると考えられた。また日中は認知症の患者に対応できても夜間は難しいことを感じていた。取り組みへの姿勢・内容は、病院のもつ歴史的背景、病棟の文化、管理者の状況に影響されていることが推察されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一般内科・外科病棟で治療を受ける認知症高齢者に対する看護スキル、看護管理方法、普及方法を検討し、臨床現場に適用できる方法として提示することを研究目的としている。研究3年目にあたる本年度は、2年目までの成果をふまえ4つの病院での適用を行っている。これはほぼ計画どおりの進捗である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は研究の最終年度にあたり、4つの病院での適用後の効果について質問紙調査・インタビュー調査、研究者と実践者による評価会議により明らかにする(7~9月)。また、適用の具体的内容から、実践に取り入れられた看護スキル、看護管理方法、普及方法(研修方法・プログラム、研究者の関わりを含む)の種類、性質、課題を明らかにし、それぞれの方法を理論的に位置づける予定である。適用した病院の担当者が成果を分析し(9~11月)、研究代表者が看護スキルを、研究分担者がそれぞれ看護管理方法、普及方法を担当してまとめる(11~2月)。
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Research Products
(8 results)