2009 Fiscal Year Annual Research Report
ミャンマーカチン州未調査地域における貧困対策・健康増進のための有用資源の学術調査
Project/Area Number |
21401007
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Research Institution | The Open University of Japan |
Principal Investigator |
冨永 典子 The Open University of Japan, 東京足立学習センター, 特任教授 (30164031)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐竹 元吉 お茶の水女子大学, 生活環境教授研究センター, 客員教授 (10170713)
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Keywords | ミャンマー / カチン州 / 少数民族 / 生物資源 / 薬用植物 / 水資源 |
Research Abstract |
ミャンマー北部のカチン州は多くの少数民族が独特な文化と生活習慣を有し、また鉱物及び生物資源が豊冨であり、学術的に非常に興味深い。そこで本研究はカチン族の伝統文化及び豊かな生物資源に関わる基礎的学術調査を行い、その実態を明らかにするとともに有用資源の新規開発による地域の経済的発展及び健康増進のため、衣食住に関わる生活資源・環境について総合的に検討し、要件の明確化を図る事を目的とした。 21年度は当初目的地に予定していたフーコンバレーは情勢不安宗のため政府の許可が下りず、カチン州の最北の空港があるプータオ周辺の調査を11月と2月に行った。2月にはプータオから徒歩で3日かかる最奥のゼアダン村までの道が開通し、北部山岳地帯の調査が可能となった。 生物資源調査はプータオ周辺の植生の概要を知るため、104種のきく葉標本を作製した。未同定の種については引き続き同定作業中である。また、ハチ、ミミズを数種採取し、種を同定した。現在毒素を分析中である。 医薬資源については現地の治療師から、Eupatrium属の植物(現地名「ザーメニ」)の葉をすりつぶして傷に塗るなどという、植物の民間薬的利用法についての聞き取りもできた。今後、引き続いて詳しい植物調査を行い、さらに現地の生活における植物利用についても検討する。 水環境についてはプータオ南部のムラシディ村やゼアダン村が水源としている川、井戸水などの水質調査を行った。いずれも大腸菌群が存存したが、総じて水質は良好であり、ヒ素も検出きれなかった。井戸水、池水以外はpH8.5付近でアルカリ性であるのが特徴である。恐らくこのあたりが石灰岩地帯である故ではないかと考えられる。 ムラシディ村の試験農場で、果樹やチャの菌木を植え、栽培指導も行った。ゼアダン村の高台に植えたリンゴは落葉していないことから、このあたりはリンゴの栽培に適さないと思われる。
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Research Products
(4 results)