2011 Fiscal Year Annual Research Report
環オホーツク海地域における前近代交易網の発達と諸民族形成史の研究
Project/Area Number |
21401023
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
天野 哲也 北海道大学, 総合博物館, 特任教授 (90125279)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浪川 健治 筑波大学, 人文社会科学研究科, 教授 (50312781)
中村 和之 函館工業高等専門学校, 教授 (80342434)
石田 肇 琉球大学, 医学部, 教授 (70145225)
三宅 俊彦 専修大学, 文学部, 兼任講師 (90424324)
佐々木 史郎 国立民族学博物館, 民族社会研究部, 教授 (70178648)
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Keywords | 製錬・鍛冶 / オホーツク文化 / バイカル湖地方 / みと / ミトコンドリアDNA分析 / 古銭 / 環日本海交易ネットワーク |
Research Abstract |
オホーツク文化の鉄鋼製品の産地およびその鍛冶技術のルーツとして注目されているシスバイカル(バイカル湖西側地域)における製錬遺跡の発掘調査に参加した。オリホン島西方のブルンハル遺跡とクルミン湖遺跡がそれであり、地下式製錬炉を特色とする。そのうち後者でC14年代測定の結果BC3世紀~AD5世紀の値(エルギン文化相当)が得られた点は、オホーツク文化のと年代(5-13世紀)と整合的であり極めて重要である。今回採集してきたスラグについてCuやNiなど鍵になる元素に注目した化学分析を進めて、オホーツク文化の鉄鋼製品の産地・搬入経路を推定することが今年度以降の課題である。 ウラジオストックのロシア科学アカデミー極東研究所、金沢学院大学、琉球大学等との共同研究として、渤海文化を中心とした極東大陸の古代集団について、ミトコンドリアDNA(mtDNA)分析および核DNA分析を行っている。DNA残存状況が良好な標本を見い出して、そのハプログループや遺伝子型の決定を進めており、特にデータの再現性に着目して解析中である。 また西シベリアの中世集団について、ロシア科学アカデミーとの共同研究としてmtDNAハプログループ分析を行った。その結果、これらの集団は、現在この地方に分布するマンシ民族、ハンティ民族と基本的に連続する可能性が高いこと、すなわち中世以降この地方では大幅な民族交替は生じていないことを推定できた。 古銭の調査では、道南・涌元町出土古銭に本邦初のベトナム古銭「開泰元寳」が存在することを指摘できた。これは環日本海交易ネットワークの再評価、とりわけ範囲の推定のために極めて重要なデータとなるものとして注目されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
オホーツク海西岸地方の実地調査はアクセス上の問題のために実現できていないが、その他では調査が進み、試料の入手、分析、データの蓄積、研究が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
6月2-3日の北海道大学における国際シンポジウムで本研究のこれまでの成果を総括する。課題に照らして、必要な補助的調査研究をさらに進めて、報告書を刊行する。
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[Journal Article] Degenerative changes of the spine in people from the Okhotsk culture and two ancient groups from Kanto and Okinawa, Japan2011
Author(s)
Shimoda Y, Nagaoka T, Moromizato K, Sunagawa M, Hanihara T, Yoneda M, Hirata K, Ono H, Amano T, Fukumine T, Ishida H
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Journal Title
DOI
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