2010 Fiscal Year Annual Research Report
旧満洲ロシア系ディアスポラ社会の内部構造と対権力関係:境界の流動性とネットワーク
Project/Area Number |
21401028
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
生田 美智子 大阪大学, 大学院・言語文化研究科, 教授 (40304068)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 克美 大阪大学, 世界言語研究センター, 准教授 (50304069)
上田 貴子 近畿大学, 文芸学部, 准教授 (00411653)
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Keywords | ディアスポラ / ネットワーク / 白系露人事務局 / 出身国 / ホスト国 / 境界の流動性 / アイデンティティ / ナショナリズム |
Research Abstract |
本研究の目的はロシア系ディアスポラ社会が、日本の傀儡国家「満洲国」体制下で示したダイナミズムを人々が日常世界のなかに構築した様々なネットワークを分析することで解明することにある。 研究実施としては、生田はロシア系社会における文化活動、藤原は経済活動、伊賀上はコサック集団に注目し、ロシア社会を考察した。その成果をストックホルムで行われた第8回国際中東欧研究学会で「アジアにおけるロシア系移住者の文化遺産」と題したセッション(座長:生田)を組織し、世界に発信した。すなわち、生田は「満洲におけるロシア系移住者の文化遺産:ハルビンの音楽生活より」、藤原は「ロシア企業としてのチューリン商会」、伊賀上は「満洲国時代における日本人の三河コサック農村イメージ」、バキチは「中国で作られたロシア詩のなかの中国イメージ」、アウリレネは「中国のロシア系移住民文化の運命における地域的要因(1920~1940年代)」と題して報告し、世界の研究者と知見を交換した。さらに、生田、藤原、伊賀上はそれぞれの成果を雑誌『セーヴェル』27号に発表した。 海外学術調査に関しては以下の三点を中心に行った。7月に、生田、藤原、伊賀上がプラハのロシア図書館で在外ロシア語文献の調査を行い、9月に生田がハバロフスクの国立地方文書館、ペテルブルグのロシア歴史文書館とモスクワにあるロシア帝国外務省外交史料館でロシア側資料を中心に調査を行い、3月、生田、塚田がシドニーとメルボルンで亡命ロシア側の資料の調査をおこうと共に、オーストラリアに第二次亡命したロシア人を対象にフィールドワークを行った。 以上の調査から、境界の流動性と人的ネットワークの諸相がかなりあきらかになった。
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Research Products
(10 results)