2011 Fiscal Year Annual Research Report
トランスナショナル・コミュニティの地域間比較―境域アジアの移住と生活の動態研究
Project/Area Number |
21401039
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
松本 誠一 東洋大学, 社会学部, 教授 (30181770)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長津 一史 東洋大学, 社会学部, 准教授 (20324676)
植野 弘子 東洋大学, 社会学部, 教授 (40183016)
後藤 武秀 東洋大学, 法学部, 教授 (90186891)
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Keywords | トランスナショナル・コミュニティ / 東アジア / 東南アジア / 地域間比較 / 境域 / 人口移動 / 宗教 / エスニシティ |
Research Abstract |
本研究は、東アジアと東南アジアにおける、トランスナショナル・コミュニティの生成・再編過程を、1960年代から現在までの50年ほどの時間幅で比較考察することを目的とする。最終年度である今年度は、各メンバーがこれまでのフィールド調査と史料調査に基づいて、また部分的に補足調査を実施しつつ、成果を論文や口頭発表にまとめた。具体的には、東アジア境域については、代表者の松本が、福岡・下関、韓国南岸・巨済島、植野が台湾東北岸、沖縄、後藤が中台間の結婚・離婚を取りあげ、それぞれの地域における宗教や民族の紐帯に基づくトランスナショナル・コミュニティの動態に関する調査成果をまとめた。長津は、マレーシア・サバ州国境域、半島部スランゴル州の移民コミュニティを東南アジアの境域として取りあげ、宗教や民族のネットワーク、あるいは自然資源利用を通じて形成されたトランスナショナル・コミュニティの動態に関する調査成果をまとめた。 東日本大震災の影響を受け、本研究計画の一部-アルバイト雇用によるデータベース構築等-は断念せざるをえなかった。しかし、個々の調査研究は、アジア二地域の境域におけるトランスナショナル・コミュニティの動態の地域性と普遍性を提示するという本研究の目的にそって進められ、具体的成果をあげた。全体にかかる主要な成果として、松本は11月に「白山人類学年次フォーラム:跨境コミュニティにおけるアイデンティティの持続と再編-東アジアと東南アジアからの展望」(東洋大学)を組織した。また、その発表に基づいて、『白山人類学』15号の特集「跨境コミュニティにおけるアイデンティティの持続と再編-東アジアと東南アジアの事例から」をまとめた。同特集では、代表者の序論とあわせて、論文2本、研究ノート1本が公表された。
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Research Products
(9 results)