2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21402010
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
村瀬 信也 上智大学, 法学部, 教授 (80062660)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 国際環境法 / 気候変動 / オゾン層破壊 / 越境大気汚染 / 「大気の保護」 / 国連国際法委員会 / 国際法協会 |
Research Abstract |
本研究は、京都議定書以降の気候変動(地球温暖化防止)に関する国際枠組を、世界の各地域および各国の実情を踏まえつつ、国際法学・国際立法論の観点から実証的に検討しようとするものであった。 2012年12月のドーハCOP-18では、2020年以降の新しい法的枠組を策定することが決定された。しかし各国の議論が錯綜する中、新たな国際立法に向けて、議論の「共通の基礎」として気候変動に関する法的諸原則を明らかにすることが必要とされている。 2012年5月から8月にかけてジュネーヴ国連欧州本部で開催される国連国際法委員会(ILC)においては、昨年から引き続き、気候変動と密接な関連を有する越境大気汚染、オゾン層破壊を包括的に扱う「大気の保護」の提案を行い、報告書を作成し、審議に付した。 2012年8月25日から31日にかけてオランダ・ハーグで開催された国際法協会(ILA)ソフィア大会では、委員長を務める「気候変動に関連する法的諸原則」の委員会にて、中国・インド・アフリカ諸国を含む世界各国から30名の専門家と意見交換、審議を行い、「共通だが差異ある責任」「持続可能な発展」「予防原則」といった法原則を明らかにする第二報告書を纏めた。「共通だが差異ある責任」原則は、すべての国が共通の責任を負うことが大前提とされており、その上で実質的な差異を考慮するものであることを明らかとした。この認識こそが、将来枠組策定において共通認識とされるべき大原則であることを明らかとした。また、ここでも気候変動と越境大気汚染、オゾン層破壊との関連性を指摘し、将来の国際立法において、これらを包括的に扱うべきことを提起した。 2013年1月10日から13日にかけては、平和宮図書館・ハーグ国際法アカデミーにて、資料収集・意見交換を行い、専門家と上記の認識を共有した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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