2010 Fiscal Year Annual Research Report
海外BRICs新移民に関わる国際比較調査研究 -米、英、豪、日本を対象として-
Project/Area Number |
21402033
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
陳 立行 関西学院大学, 社会学部, 教授 (60278314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 信介 関西学院大学, 社会学部, 教授 (10168974)
アナンダ クマーラ 鈴鹿国際大学, 国際人間科学部, 教授 (00271396)
永野 武 松山大学, 人文学部, 准教授 (50268736)
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Keywords | 移民政策 / 多民族国家 / BRICs移民 / 国際社会学 / 国際比較研究 / 国際移民研究 |
Research Abstract |
本研究の目的は、BRICsの新移民を対象にして、異なる移民のエスニック・グループのあり方とそれの社会統合に対する影響を明らかにし、移民の還流の実態とそれを可能にしたメカニズムを究明することである。それを通じて、グローバル化時代における多民族国家のあり方についての理論的展開を模索する。 本年度では、(1)海外共同研究者の所属機関のLSE(London School of Economics and Political Science)のCCPN(China in Comparative Perspective Network)で、本研究のHPを立ち上げ、研究活動と研究成果を英文で速やかに発信することができた。(2)イギリスのLSEで国際・学際会議を開催し、理論的枠組の構築と文献調査の結果を発表した。(3)イギリスで日本の研究チームとイギリスの研究チームと共同で、BRICsの新移民39人(インド人8人、ロシア人15人、ブラジル人6人、中国人10人)に対してインタビュー調査を実施した。また、帰国した移民26人(ロシア10人、中国9人、インド7人)に対してもインタビュー調査を実施した。(5)AAS国際大会で中国の労働輸出政策の変容について研究発表を行った。 イギリスのエスニック・グループのあり方とそれの社会統合関しては、China Townのネットワークは中国人コミュニティの連帯に役立つが、現地社会との統合にマイナス影響を与える。これに対して、ロシア移民は教会を通じて精神的連帯感を持ち、よりスムーズにイギリスの社会と統合することが見られた。また移民の還流の実態に関しては、ロシアでは海外学位認定制度、インドではカスト制度はハイレベルな移民の還流を阻むことに対して、中国ではインキュベータでの帰国者に対する優遇政策は移民の還流を促進することが分かった。 次年度では、今年度のインタビュー調査の結果発表会を開き、それを踏まえ、アンケート調査の実施が予定されている。
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Research Products
(4 results)