2010 Fiscal Year Annual Research Report
CERN-SPS加速器による宇宙線電子・ガンマ線観測装置の較正実験
Project/Area Number |
21403004
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
田村 忠久 神奈川大学, 工学部, 准教授 (90271361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日比野 欣也 神奈川大学, 工学部, 教授 (80260991)
奥野 祥二 神奈川大学, 工学部, 助教 (90281451)
有働 慈治 神奈川大学, 工学部, 助手 (50506714)
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Keywords | 宇宙線電子 / ガンマ線 / スペースステーション / 日本実験棟「きぼう」 / CALET / 暗黒物質 / 宇宙線原子核 / 宇宙線加速・伝播 |
Research Abstract |
平成22年度は、CERN-SPSのT2-H4ビームラインでのビーム照射実験を、CALETに与えられた9月20日から30日までの10日間のマシンタイムの間に行った。JAXAにおいて開発フェーズに入ったCALETの解像型カロリメータ(IMC)と全吸収型カロリメータ(TASC)について、実機の検出器構成を部分的ながらほぼ実現する試作品を製作し、電子、陽子、ミュー粒子のビームを照射して、性能評価試験を行った。IMCについてはX方向のみではあるが32mm幅のシンチファイバーベルトにタングステンを3 r.l.分挿入したもの製作した。また、TASCについてはPWO結晶シンチレータを2本を8層に組み、それをPMTやPD/APDで読み出した。トリガーについては、IMCのシンチファイバーベルトの読み出しに用いる64chマルチアノードPMTのラストダイノード信号と、TASC最上層のPWOを読み出すPMT信号によるトリガーのテストも行った。今回のCERN-SPSでのビーム実験では、陽子ビームについては充分な陽子の純度が得られなかったが、ミュー粒子ビームによって得られたl MIP(Minimum Ionizing Particle)のデータはシミュレーションをよく再現した。そして、電子ビームによって得られたデータについては、ミュー粒子によって得られたADC値のMIP換算を施してシミュレーションと比較したところ、各層でのエネルギー損失、シャワーカーブ、エネルギー分解ともに、実験データとシミュレーションが良く一致する結果が得られていることを確認できた。その結果、CALETのための検出器の性能を電子についてはほぼ確認することができた。平成23年度のCERN実験での課題として、電子と陽子の選別能力を確認するために純度の高い陽子ビームを照射することが残っている。
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Research Products
(8 results)