2011 Fiscal Year Annual Research Report
CERN-SPS加速器による宇宙線電子・ガンマ線観測装置の較正実験
Project/Area Number |
21403004
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
田村 忠久 神奈川大学, 工学部, 教授 (90271361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日比野 欣也 神奈川大学, 工学部, 教授 (80260991)
奥野 祥二 神奈川大学, 工学部, 助教 (90281451)
有働 滋治 神奈川大学, 工学部, 特別助手 (50506714)
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Keywords | 宇宙線電子 / ガンマ線 / スペースステーション / 日本実験棟「きぼう」 / CALET / 暗黒物質 / 宇宙線原子核 / 宇宙線加速・伝播 |
Research Abstract |
宇宙線電子・ガンマ線観測計画CALETは、JAXAにおいて平成22年度より開発フェーズへ移行し、宇宙ステーションへの打上げは平成26年に予定されている。我々は、シミュレーション、加速器ビーム実験、気球実験を行うことで装置の性能評価、開発製作を推進している。本研究では、CERN-SPS加速器の電子と陽子ビームを用いた照射実験をH21-23年の間に段階的に行って、装置性能の検証と較正を行うことを目的とした。 本研究の最終年度には、SPS加速器のH4ビームラインにおいて9月19~29日のうちの7日間で、(陽)電子、陽子、ミュー粒子の各ビームをプロトタイプ検出器に照射した。(陽)電子および陽子ビームは、検出器中のタングステン層やPWO層で相互作用を雪崩的に起こし、その結果シャワー現象が発生する。シャワー中の荷電粒子をシンチファイバーやPWOシンチレータによって検出することによって、エネルギーや入射角度を決定するとともに入射粒子の判別も行う。ミュー粒子は、最小電離損失粒子によるゲインキャリブレーションに用いた。プロトタイプ検出器の構成は、幅が実機の1/14~1/8ではあることを除けば、粒子の通過する深さ方向などは実機と同じ構成になっている。ミュー粒子23万イベント、(陽)電子38万イベント、陽子195万イベントを取得した。 取得データをもとに、検出器の各深さでのエネルギー損失、シャワー軸再構成、粒子選別の解析を行い、エネルギー分解能、角度決定精度、粒子選別能力などの検出性能を確認することができた。また、それらのシミュレーションデータとの比較も行った。これまで、フライトモデルの性能評価はシミュレーションによっていたが、このプロトタイプモデルによってその性能を実証するだけでなく、実機におけるデータ解析でも必須となるシミュレーションについても把握することができ、本研究の目的を達成することができた。
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Research Products
(9 results)