2012 Fiscal Year Annual Research Report
超背弧地域に産する玄武岩質マグマの成因解明:第4のマグマ生成場として
Project/Area Number |
21403012
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Section | 海外学術 |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
折橋 裕二 東京大学, 地震研究所, 助教 (70313046)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角野 浩史 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (90332593)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 超背弧 / マグマ成因論 / マントル遷移層 / パタゴニア地方 |
Research Abstract |
本研究では,南米・パタゴニア地方,ソムンクラーカンケル台地を構成する大規模玄武岩層が,沈み込み帯に伴う定常的なテクトニズムがトリガーとなり,410km以深のマントル遷移層・含水ウォズリアイトの脱水・溶融を引き起こすことで生じる,とする超背弧マグマ成因論を基軸に地質調査,岩石試料の系統サンプリング,全岩科学組成およびK-Ar年代測定を実施して来た.その結果,以下のことが明らかになった; 1) 同台地およびその周辺に分布する火成活動は,ステージ I (36 Ma), ステージ II (27-20 Ma:噴出量が最大), ステージ III (18 - 10 Ma), ステージ IV (5.6-0.34 Ma) に区分され,36-20 Maの台地玄武岩類の火成活動では,東方(トレンチからより背弧側へ)に時代とともに移行し,18-0.36 Maのポスト台地玄武岩の火成活動は西方に移行する.また,玄武岩マグマの噴出量が最大であるステージ IIは,ナスカプレートが急激に回転運動をする時期と一致する. 2) 同地玄武岩類の化学組成の特徴は,通常のプレート内玄武岩に比べ流体と親和的なLIL元素に富む傾向がある.ステージ IおよびIII~IVの玄武岩類は火山フロントの玄武岩のような顕著なNb, Taの枯渇は見られないが,それらと同様の,例えば,高いK/La比,低いBa/Th比の特徴を示すが,ステージ IIの玄武岩類は低いK/La比,高いBa/Th比の特徴を示し,明らかにスラブ由来の流体の特徴と異なる. 現段階で,これらの特徴を説明し得るマグマ成因論は,28~20 Maに起こったナスカプレートの急激な回転運動により,沈み込んだスラブが上方へ押し上げられ,マントル遷移層直上部が隆起し,これがトリガーとなって脱水・溶融が起こり,この含水マグマがソムンクラーカンケル台地を形成した,とするシナリオである.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Permian Peri-glacial deposits from Central Mongolia in Central Asian Orogenic Belt: A possible indicator of the Capitanian cooling event2012
Author(s)
Fujimoto, T., S. Ohto, Y. Orihashi, T. Hirata, T. Yokoyama, M. Shimojo, Y. Kouchi, H. Obara, Y. Ishizaki, K. Tsukada, T. Kurihara, M. Nuramkhan and S. Gonchigdorj
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Journal Title
Resource Geol.
Volume: 62
Pages: 408-422
DOI
Peer Reviewed
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