2009 Fiscal Year Annual Research Report
熱帯地域における保護区の生物多様性保全に関する研究
Project/Area Number |
21405004
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
鈴木 英治 Kagoshima University, 理工学研究科(理学系), 教授 (10128431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 旬子 鹿児島大学, 理工学研究科(理学系), 准教授 (40244222)
相場 慎一郎 鹿児島大学, 理工学研究科(理学系), 助教 (60322319)
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Keywords | 熱帯雨林 / 自然保護区 / 外来種 / 生物多様性 / インドネシア / マレーシア / Calliandra |
Research Abstract |
マレーシア・サバ州のクロッカーレンジ、キナバル国立公園、インドネシア・ジャワ島のパンガンダラン保護区、ハリムン-サラック国立公園、ゲデ-パンゲランゴ国立公園における侵入種の分布状況を道路や登山道に沿って調査した。サバでは低地部はAcacia mangium、山地部ではClidemiahirta,パンガンダランはチーク、ゲデ-パンゲランゴはBrugmansiaやCestrum、ハリムン-サラックではCalliandra calothyrsus等が多く侵入し、同じ熱帯でも侵入種の組成が大きく異なり、地域により問題となる種が違うことが分かった。 原生林内への侵入状況を、キナバル国立公園の異なる標高と地質の原生林に16年前に設定した多数の永久調査区において調査したが、侵入種の分布拡大は認められなかった。 Calliandraの除去実験をハリムンで行ってきたが、地上部だけの刈り取りでは効果が薄く、地下部の掘り取りが必要なこと、またCalliandraを取り除いても、埋土種子がほとんどなく種子の移入も稀なので、一部の先駆種以外は自然植生の構成種が容易には侵入しないことが分かった。 分布拡大戦略を探るため,調査対象分類群とその近縁在来種について集団内変異を解析した。Melastomaでは,立地条件や遷移段階により集団内の遺伝的多様性に較差がある可能性が示唆され,また花形態の多様性の地域的な差異が見出された。Brugmansia,Calliandraについても同様の比較解析を念頭に置いた標本試料の採取を行った。
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Research Products
(2 results)