2010 Fiscal Year Annual Research Report
熱帯地域における保護区の生物多様性保全に関する研究
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21405004
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
鈴木 英治 鹿児島大学, 理工学研究科(理学系), 教授 (10128431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 旬子 鹿児島大学, 理工学研究科(理学系), 准教授 (40244222)
相場 慎一郎 鹿児島大学, 理工学研究科(理学系), 准教授 (60322319)
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Keywords | 熱帯雨林 / 自然保護区 / 外来種 / 生物多様性 / インドネシア / Tectona grandis |
Research Abstract |
昨年度はハリムン-サラック山国立公園侵入種分布状況の調査を行ったが、隣にあるゲデーパンゲランゴ山国立公園でも同様の調査を行った。その結果、地域によって侵入種の組成が異なること、低標高ほど侵入種数が多いこと、公園境界付近に侵入種が多く内部に行くにつれて減少しており、現在も侵入種が増えていると予想された。 ハリムン-サラック山国立公園やゲデーパンゲランゴ山国立公園では自然再生事業のために自生種を使って植林活動が活発に行われようとしている。それは自然林再生に貢献するだろうが、負の影響として本来の遺伝子組成を撹乱する心配がある。そこで植林にもっともよく使われるイジュ(Schima wallichii)数百個体から葉のサンプルを採集し、遺伝的多様性の解析を行うためにDNAの抽出を進め、今後解析をする。 ジャワ島西部のパンガンダラン保護区は500haほどの面積を持ちジャワ島では小島が陸繋砂州(トンボロ)によってジャワ本島に繋がった岬であるので細い砂州以外からは外来種が侵入しがたい地形をしており、侵入種の研究に適している。砂州の根元付近に植林されジャワ島に自生しないチーク(Tectona grandis)が、どのように自然林の中に侵入しつつあるかを調査した。その結果植林からの距離だけでなくチークは陽樹なので立地が開けているかが、チーク侵入に影響していた。またチークの侵入が在来種の分布に影響していた。 過去の侵入種の分布拡大を明らかにするために、ハーバード大に所蔵されている標本を検索し、文献による調査を行った。
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Research Products
(1 results)